「私は許してもいいと思います。」ブレイブ ワン 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)
私は許してもいいと思います。
暴漢に襲われ、一緒に居た婚約者は死亡し、自身は重症を負ったラジオパーソナリティー。外出することに恐怖を覚え護身用に違法に拳銃を入手する。たまたま立ち寄ったコンビニエンスストアで強盗を撃ち殺してしまい、その事で、自分が変わってしまったことに気が付く。
主人公のエリカ・ベインを演じるのはイェール大学卒業の才女ジョディ・フォスター。彼女が、自分のしていることに対する罪悪感に苛まれながらも、止める事ができず、次の目標を探してしまう苦悩を、非常に上手に演じています。彼女じゃなければ出来なかったかもね。エリカの職業は、当初、新聞記者が想定されていましたが、ジョディ・フォスターが演じることになって、ラジオパーソナリティに変更されました。でもその方が、話的に良かったと思います。
ふとした事からエリカの事に気が付き、最後にエリカが思いを遂げることに手助けしてしまうことになるショーン・マーサー刑事を演じるのはテレンス・ハワード。派手な演技はありませんが、存在感たっぷり。いい演技を見せています。
この手の、復讐殺人と言うのは、アメリカでは時折耳にしますね。マスコミも、犯人を持上げがちになるので、英雄気取りの犯人による犯行がエスカレートしてしまう例は、結構あります。これも、そうなりかけるのですが、最後の一線は(まぁ、既に一線は越えているとも言いますが)、踏みとどまり、最後の、そして本当の目的を達成することで、こちら側に戻ってきているようです。
社会派の、非常に重いテーマの映画ですが、誰にでも起こりえることであり、身近な問題であるので、引き込まれてしまいます。アメリカの抱える矛盾、悩みが描かれた映画だと思います。
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