「価値観を変えてしまう事件の後」ブレイブ ワン Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
価値観を変えてしまう事件の後
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総合:65点
ストーリー: 60
キャスト: 70
演出: 70
ビジュアル: 70
音楽: 70
日常的に多数の殺人が起きて、それが未解決のままにされることも多いアメリカ社会。信頼のおけない司法の手にゆだねてただ無駄に結果を待つよりも、どこでも簡単に手に入る銃を持って自分で解決に乗り出すほうがいい。そう考えるアメリカ人は大勢いるのかもしれない。
それでもジョディ・フォスター演じるエリカの行動は賛否両論あるだろう。だが事件に巻き込まれた後、怯え悲しみ苦しむ孤独な救いのない彼女の姿は良く出来ていた。ほんの些細な事件でも、人は怖くて街を一人で歩くことも出来なくなったりするものである(実例を知っています)。まして幸せを奪われ人生を根本から変えられるような事件ともなれば、それまでの価値観が崩壊し過去の自分とは違う自分になることは充分有り得る。そのような雰囲気の出し方は評価出来た。いいか悪いかは別にして、そこに偶然が加われば、コンビニや地下鉄のようなことにもなりうるのかなと思う。
だが物語の現実性の詰めが緩い。通常は目撃者がいなくて、例えいたとしても口を割らずに簡単に隠蔽工作が成立する。最後の場面、犯人は仲間割れをおこして撃ちあうということにしたが、その後の検証で彼らの腕に硝煙反応がないことを調べられたらどうするのだろう。あれだけ騒いで銃声もしていて、それを近くで聞いて証言する人がいないという前提条件もどうなのだろう。スラム街で頻繁に起こる殺人事件、刑事が証人なのだからいちいち調査をされないということだろうか。
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