劇場公開日 2007年9月15日

「久々に良い映画を観たなという気分です」題名のない子守唄 フリーダさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5久々に良い映画を観たなという気分です

2007年9月23日

悲しい

「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」などで有名なジュゼッペ・トルナトーレ監督の最新作です。
しかし前2作品とは、全く違うタイプの作品です。
サスペンスタッチのミステリー映画です。
眠くなりそうな映画かなぁと思っていたら、冒頭から衝撃的なシーンで始まり、最後まで眠くなる事はありませんでした。(毎回始まりの30分が眠くなるんですよ、、、、)
いきなり下着姿の女性達が壁穴から覗く男に選ばれるというシーンから始まります。
男に選ばれ、いきなり裸にされるイレーナ(クセニヤ・ラポポルト)ですが、このシーンでは金髪でメイクも派手なので、この後に出て来るイレーナと別人に見えてしまいます。
イタリアにやって来たイレーナは、貴金属商を営むアダケル家のメイドになるのだが、その為に現在のメイドを階段から転ばせて殺してしまう(実は死んでいなかったけど、、、)
事前に向かいのアパートに住んで部屋からアダケル家を監視し、ゴミ袋を盗んで好みの食事をリサーチしていたイレーナはアダケル夫人に気に入られる。
しかし、隠し金庫を見つけ出し、中身を調べるイレーナ。
イレーナの目的は何なのか?
狙いは金なのか、、、それとも、、、
イレーナの行動は謎で、異常な緊張感とサスペンスあふれる展開でドンドンと映画の世界に引き込まれいきます。
時折、過去のイレーナの話をフラッシュバックさせていく、、、
黒カビという男のSEXの奴隷にされる。恋人は殺されゴミ捨て場に捨てられている。妊娠させられるが子供は捨てられる、、、
殺された恋人への復讐のた為、黒カビを殺し金を奪う。
やがて4歳になるアダケル家の娘テア(クララ・ドッセーナ)と心を通わせ合うようになるが、自己防衛力に欠陥のあるテアは、転んでしまう時に手をついて身体を守れないのだ。
そんなテアに母親以上に母親らしく、厳しい態度で接するイレーナ。
ふたりはぶつかり合いながらも、深く結びついて行く、、、
しかし、殺した筈の黒カビが現れ、襲われる。
そんなイレーナに不信感を抱きメイドを解雇するアダケル夫人は、遂にイレーナの真の目的を理解する、、、、
しかし、アダケル夫人が殺害され、逮捕されるイレーナ、、、
そして、真実が彼女の口から明かされて行く、、、!!

全体を通したトーンは、とても暗いのだが、しっかりとした作りに引き込まれてしまった。
久々に良い映画を観たなという気分です。
しかし、残念だったのはラストシーンですね(*´Д`*)
それまでが、上質のミステリーとして観客に先を読ませないで来ていたのに、ラストシーンは超ベタですから、、、
「愛に満ちた珠玉のラストに涙がとまらない、、、」(チラシより)
「ラストシーンの秀逸さに全てを救われ、、、」byおすぎ
更に上映前にアナウンスにて「衝撃のラストシーンを他人に教えないで」などと言うから、かなりラストシーンに期待していました、、、、実際泣いている人もいたけどね、、、
まぁその点は差し引いても、満足出来る映画でした。

フリーダ