「一体 握手をしたいのか ケンカを売りたいのか」キングダム 見えざる敵 The Dudeさんの映画レビュー(感想・評価)
一体 握手をしたいのか ケンカを売りたいのか
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サウジでの捜査なのに、わざわざボディラインのはっきりした服を着る女性にユダヤ系の人を連れて行く時点で「ケンカ売ってんのかコラ!」って反応されるのが予想できないのか。そんな目立って反感を買って捜査なんか出来るのか。真面目に考えた脚本だとは思えない。
サウジ側の鍵となる大佐の扱いも人物描写が1990年代以前のハリウッド映画のそれ(アメリカに友好なるストレンジャー)だ。ハルクに憧れて国家警察に入った人間がハルクの名前も知らないなんてバカにしすぎじゃあないか。
衝撃的な幕切れの言葉もバランスを取るための付け足しにしか見えない。少年と握手をするシーンの演出は心底この異文化とこの映画流の方法で交流できるとの確信がある。この映画の主張はぶれている。ならば真面目な主張めいたことなどハナからなくて良かったのに。
そんな野暮ったい視点はさておき、残念なのは期待していたアクション描写がハデなだけで全然こ慣れてないこと。人物の位置関係は掴みにくいし、ハンディカメラの使い方も下手に振りすぎ。『トゥモロー・ワールド』が如何に巧かったか良く分かる。
しかし、いくら何でもテロの拠点街に乗り込んで少数で制圧するなんて嘘が過ぎる。嘘はもっと巧くついて欲しいのに。
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