「演技がよかっただけに少しもったいない」ミッドナイト イーグル masakoさんの映画レビュー(感想・評価)
演技がよかっただけに少しもったいない
原作からの設定変更は全く違和感なく、ストーリー展開も原作通りでなかなかうまく映像化していたと思います。
ただ、原作を読んでいたのでこの設定やストーリー展開を受け入れることができましたが、原作未読だったらいろいろ突っ込みたくなってしまったり、あれはおかしいでしょ?という疑問が沢山浮かんでしまったりしたようにも思います。
大沢たかお、玉木宏、吉田栄作はほぼ雪山シーン。白い服装の自衛隊員がどんどん銃で撃たれて死んでいく中、西崎と落合は丸腰の上に自衛隊よりもはるかに目立つ紺と赤のジャケットで、普通に考えて一番最初に銃で狙われて殺されてしまってもおかしくなさそうなものの、最後まで生き残るんですよねぇ。不思議です。原作ではザックをなくし、食料もなくて、銃を持った敵に何度も襲われ危ない目にあっていましたが、映画ではたいして狙われていた感じはないし、食料にも困ってる風ではありませんでした。玉木君太ってたし。
それでも雪崩に巻き込まれて雪に埋もれてしまったり、吹雪で雪まみれになったりと撮影は本当大変だったんだろな、ということが伺えるので、あまり突っ込まない方がいいのかな。でもせっかくCGを使わずにロケしたのに、雪山の大変さや辛さがさほど感じられないのは残念ですね。
もったいないと思ったのは、登場人物それぞれにきちんとしたバックボーンがあるんですが、時間的な問題もあるんでしょうが、それが上手くきちんと伝わりきれていないところ。私はミッドナイトイーグルに関するいろいろな雑誌の記事や、俳優さんたちのインタビュー記事、パンフレットなどを読んだので理解できていたところがありますが、映画を観ただけではそれはわからないよな、と思う部分が沢山ありました。
でも危険だということがわかっていながらも前に進む姿、そして守りたい人を守るという男の姿は格好良かったと思います。所々感動したシーンも結構ありました。また総理大臣役の藤竜也が格好よかったですね。ああいう総理大臣だったら私も支持したいです。
役者さんたちの演技はすごくよかったです。特に大沢たかおと吉田栄作。またBank bandの主題歌もすごくいいです。しばらく頭の中から離れそうもありません。