「なつかしい思いにさせる映画」天然コケッコー IvoryK2さんの映画レビュー(感想・評価)
なつかしい思いにさせる映画
まだ中学生だった頃
村の大人たち
村の子どもたち
村の道を歩けば、親の名やおじいちゃんの名前まですべて知られている。
なにか事件が起これば、半日もしないうちに村中に知られる。
買いたいものがあれば、遠くの街までバスで出かけなければならない。
「ああ、いやだこんなところ」と思っていた
「東京ってどんなところなのだろう・・・」
魅力的ないろいろな物に溢れ、魅力的で不思議ないろいろな人が活躍しているのだろう・・・、そんな風に思っていたのだが。
山手線の通勤電車の中で、東京駅の雑踏の中で、もう何年も前の瀬戸内海岸の故郷の村をふと思い出す。
金色に輝いた田んぼの中の通学路
色鉛筆を買いに行った雑貨屋のおばあちゃん
「手が冷たいじゃろ」と手袋を貸してくれた高校生のお姉ちゃん
あのお姉ちゃんはそよちゃんだったのか。
夏になれば、海岸で遊んでいた。
瀬戸内の強烈な陽の光は、真っ白なシャツが良く似合っていた。
そんな風に、懐かしい思いにさせる映画だった。
あの時は、ほんとうは豊かな時間だったのかもしれない。
そよちゃんは、そのささいなことの輝きに、気が付いていたのだろう。
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