「「たそがれる」も名文句ですが」めがね ナオさんの映画レビュー(感想・評価)
「たそがれる」も名文句ですが
『かもめ食堂』にはいまひとつノれなかったのだけど、これはよかったなあ。別に私が南の島好きだからってわけじゃなく。
刺さったのは……、「ずるい」という言葉だった。
サクラの作るかき氷を先んじて食べていたタエコに、後からやってきた者たちは口々ずるい、と言う(自分だって食べに来たくせに!)。
「狡い」でも「ズルイ」でもなくて、「ずるーい!」と。子供みたいに。
こんな素直な羨望を向けられて、言われるほうもトクベツ扱いを素直に嬉しく噛み締めてしまう。
南の島で、自然の中で暮らすことが豊かなのは、自分の本能に敏感になれるから。自分の中の小さい欲望にちゃんと気付いて、達成したらしっかり満足して。
とても心地よい映画ですが、ただロハスな雰囲気だけではなく、すっごく鋭いものが込められてるなと思いました。
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