「テーマは違和感?」めがね odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
テーマは違和感?
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荻上直子ワールドだからいつもの仲間内での虚構なのは致し方ないが美しい自然はおまけで、まるで変人たちの舞台劇、犬や猫、山羊など動物をただ添えるのはアクセサリーの感覚なのでしょう。「かもめ食堂」も癖の強い人物ばかりだったが何となく理解はできたのだが本作は作り物感が拭えない、あえて違和感に臨んだようです。
只管のんびり感をだそうと不自然な演出が興を削ぐ、過干渉かと思ったらほったらかし、もたいさんの風貌でホラーモドキの芝居をさせているが、笑えない。
私事だが舞台となる与論島は何度か訪れた、サンゴ礁に囲まれた美しい白砂とエメラルド・グリーンの穏やかな海、夜ともなれば空には満天の星、あれほどの流れ星を間近に観たのも初めてだった。サンゴでできた島なのでハブもいない。近年は観光がメインだがサトウキビと漁業が主な産業、若者の多くは本土に働きに出ているそうだ。島の人も純朴で優しい、若い頃は民宿にも泊まったが主の漁師さんが時々船に乗せてくれた、潜れば眩いばかりの熱帯魚やハリセンボンの愛嬌ある顔に癒された、採れたてのシャコ貝をごちそうになった、醤油はくらげにさされたときにも効くと言っていた。いわゆる観光地とはかけ離れたもてなしに胸をうたれたものです。
人は様々だが与論島は黄昏たくて行く所ではないでしょう。感性の違いなので良し悪しは言えませんがあの美しい島に作り物感の強い人物を持ち込んで何を描きたかったのでしょう。
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