「かもめ、めがね、ねこがすき・・・」めがね kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
かもめ、めがね、ねこがすき・・・
『かもめ食堂』の人気によって、似たようなコンセプトのスローライフ・ムービーを作った荻上直子監督。きた!きた!南の島へ。と、小さな宿ハマダへとやってきたのは小林聡美。今回はハマダの主人光石研ともたいまさこの関係が大いなる謎だったのですが、その謎も途中からはどうでもよくなってくるといった展開なのです。“ものすごい関係”だと言ってたのが市川実日子だったからかもしれませんが・・・。もちろん小林聡美と加瀬亮の関係も興味あるけど、すぐにどうでもよくなります。
『かもめ食堂』では無性におにぎりが食べたくなったのですが、今回はいかがだったのでしょうか。クロースアップされたのが伊勢海老やバーベキューでしたけど、最も胃袋に刺激を与えてくれたのがビール。塩鮭やいくらに違和感を覚えたために食材にのめり込めなかったのが原因かもしれませ
ん。そして、どうしても比較してしまうのですが、ムーミンやガッチャマンに匹敵するネタが足りないのが残念でした(メルシー体操は素直に笑えなかったし)。観たのが寒い季節ということも原因かもしれないけど・・・
もうひとつ違和感を感じてしまうのが“たそがれる”という言葉の使い方。光石、もたい、小林の3人には当てはまる部分があるのかもしれないけど、市川、加瀬の2人には年齢的にもしっくりこない言葉だ。
お金にこだわってないところは良かった。現実的にはどうしても気になる経済観念を宿でもぼかしているし、もたいまさこのかき氷屋も客の判断で決められるところが素敵です。宿の食材はどうしてるんだろう?などといった疑問さえどうでもよくなってくるところ。まさか全て近所の人からもらってるのでもないだろうし。
やっぱり何も起こらない展開。性格の違いから会話が絡まないという小林聡美を中心とした対立はあるのですが、たそがれる才能を得ることによってぎくしゃくした関係が無くなっていくといった描写は見事でした・・・とは言っても、南の島には行きたくならなかった・・・
【2007年12月映画館にて】
なるほど、かもめ食堂と猫が好きを繋いだ訳ですね。
ジム・ジャームッシュ見たいなオフ・ビートを何故日本人は描けないんですかね。
女性監督と思って見たのですが。