「不快な馬鹿女」腑抜けども、悲しみの愛を見せろ Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
不快な馬鹿女
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総合:45点
ストーリー: 40
キャスト: 70
演出: 65
ビジュアル: 70
音楽: 70
佐藤江梨子演じる和合澄伽の、自分の力不足を棚に上げて全てを人のせいにする馬鹿丸出しの勘違い女。こういう人にたまに会ったことがありますが、かなりうっとおしくて嫌いです。彼女の演技を見て同じことを感じたので、演技としてはなかなかのものだと思いました。永作博美の演技力も流石でした。
ただし最初から最後までこの我儘勘違いぶりを見せ付けられたため、映画として正直見るのは不快で苦痛でした。そのため私にとって面白い映画とは言えません。この痛々しいまでの勘違い振りを、彼女の妹のように面白い見世物と感じられる人にはいいのでしょうけれど。
物語のほうは展開が前半でほぼ読めてしまった。佐津川愛美演じる和合清深の漫画と謎のバイト先。姉の書く自分勝手な全く返事を書こうという気にさせない手紙とか、やたらと手紙のことに関して時間がとられるといったことから、何がどうなっているのかすぐにからくりがわかってしまいました。だから最後には面白い素材である姉を踏み台にして、妹が羽ばたいていくのだろうなというのも想像出来た。そのため意外性がなかったことも、映画をあまり評価出来ない理由の一つ。どう考えても成功などするはずのない馬鹿女が主人公かと思いきや、実はそれを近くで見つめて物語を紡いでいるもう一人こそが主人公という二面性が、この映画の本来の面白いところだろう。でもそれが早めにわかってしまうとどうもね。
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