「「お姉ちゃんは自分の面白さに気づいてない!!!」」腑抜けども、悲しみの愛を見せろ Yushiさんの映画レビュー(感想・評価)
「お姉ちゃんは自分の面白さに気づいてない!!!」
「桐島、部活やめるってよ」がかなり面白かったので、吉田大八監督作品を全部見てしまうことを決意。その一作品目。
いや~面白かった!!これが1作品目!?これはこの後の作品が気になります!
クライマックスの妹・清深の大逆転劇は「桐島」の屋上のシーンを彷彿とさせました。宇多丸さんも似たようなことを言っていましたが、これは吉田大八監督の作風なのかもしれません。姉の文通相手(仮想)の映画監督、たぶん吉田監督が嫌いなタイプの監督ですよね!笑なんかディスリが見られましたよ!笑笑
さて、クライマックスで清深が叫ぶセリフ。「お姉ちゃんは自分の面白さがわかってない!」これはすごく心に来ました。これ、多分、観客にも向けられたメッセージですよね。姉・澄伽は自分には女優としての才能、さらにいうと主役級の女優の才能があると思っている。だけど、たぶんそうじゃない。姉が唯一出たドラマの役は道端で鍋で殴られて殺される役。いわば脇役。でも、すごくなじんでいたように見えた。それを見た澄伽はすべてを悟る。「そうか、私って『脇役』なんだ…」そして東京行きのバスに乗り込み叫ぶ。「ここから面白くなるんだからね!!!」
太陽がある。太陽から、日差しが降り注ぐ。僕たちはその中に入ることが人生において「かち」だと思ってしまいがちだけど。日差しがあれば必ず日陰もできるわけで。日陰があるからこそ日差しが際立つのであって、2つが互いに補完しっているのだと。だから、どちらが良いとか、そういったものではないと。当たり前のことかもしれませんが、そう思いました。
「桐島」に続いて「腑抜け」でも、僕たち「日陰族」に明るい未来を示してくれる吉田大八監督に僕は一生ついていきます!!!