「サトエリ真骨頂」腑抜けども、悲しみの愛を見せろ クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
サトエリ真骨頂
何と言っても、サトエリの怪演が光る。
「これ素なのか?」と思わせるほどのイタイ女。
終始彼女が話を引っ張って行くのだが、
引っ張っているつもりなだけで何も進んでいない、
というコメディながら、
流れる要素はシリアスかつシニカル。
兄(永瀬正敏)、兄嫁(永作博美)、妹(佐津川愛美)と、
主要人物側の視点も独特で、
ありえないと思いながらも、何となく感情移入してしまう。
これは演出の妙である。
邦画にありがちな過剰かつ蛇足な演出が少なく、
(冒頭の永作の転がり方は過剰)
テンポもいいので(でも時々間延び)見易い。
ただ、タイトルと話がいまいちリンクしないし、
ラスト間際の「お姉ちゃんは、自分のおもしろさ」云々の件は、
ちょっと唐突かな。
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