劇場公開日 2007年3月3日

「合言葉は「キム・ギドク」。「弓」と答えていたら殺される?」龍が如く 劇場版 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0合言葉は「キム・ギドク」。「弓」と答えていたら殺される?

2021年8月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 原作者には“セガ”と書いてあったので、外国人かと思っていたらプレステのゲームだそうだ。それでも半信半疑。この群像バイオレンスアクションはどんなゲームなんだと、ずっと考えてしまいました。シューティング?RPG?シミュレーション?見終わった後でもまだわかりません。なにしろ群像劇なのです。基本の部分は北村一輝と岸谷五朗の極道対決と、北村一輝が連れて歩いている少女の母親探し。そして、中西と今西というマヌケな二人組の銀行強盗、『パルプ・フィクション』を思わせる若いカップルの強盗が絡んでくる。

 意外な接点となっている理髪店店主の田口トモロヲやDVDショップ地下で拳銃密売を商売にする荒川良々。登場した途端に活躍するかと期待するのに全く活躍しない哀川翔など、個性的な役者のオンパレード。そんな奴らが欲望と暴力の渦巻く神室町。暴力団の抗争と銀行から消えた100億円。北村一輝の愛していた女性や謎の韓国人も不思議な存在としてストーリーを盛り立てる。

 何しろ熱帯夜が続いていた真夏の日。人々は暑さのせいで皆どこかが狂いだすという雰囲気の中で、一対の抗争内に巻き込まれてゆくのです。三池崇史監督らしい激しくコミカルでもあるバイオレンス描写。不死身の岸谷五朗の演技にはちょっとやり過ぎ感さえあるが、主人公の北村一輝がピシッと引き締めていた。ほとんど素手で戦っていたのでは絶体絶命のピンチに陥ることは必至なのですが、偶然見つけた最強アイテムに・・・爆笑です。

 一晩の出来事なのに、2時間では足りないのか・・・対立するボスの描写がほとんどない上に、謎の韓国人もよくわからない。かつての恋人とか少女の母親とか、ゲームをやってないとわからないことが多過ぎます。そして最後には、「桐生は遥の父親なのか?」という最大の謎を残してくれました。

【2007年3月映画館にて】

kossy