「われわれ人類は地球の一部である。この地球で人類も動物も皆仲良くできると思った。」劇場版 どうぶつの森 eigazukiさんの映画レビュー(感想・評価)
われわれ人類は地球の一部である。この地球で人類も動物も皆仲良くできると思った。
人間のように暮らす動物や人間が仲良く暮らすのどかな村での生活や事件や騒動を描いた心温まる理想郷物語。人間の女の子アイは自然の豊かな村でひとり暮らしを始める。彼女は近所に住む動物の村人と交流しながら次第に村の一員となっていくのであった。
点数:3.5。お勧めします。動物と人間が地球で仲良く共存していく理想の未来を具現化したような村での心温まるエピソードが楽しい。物語の始まりから終わりまで笑顔で見ていられる映画。平和な村では外敵もなく醜い争いなども起こらないので非現実的で刺激が少なく物足りなさを感じることもあった。
この映画の魅力は多くの種類の個性的な村人たちが登場すること。さまざまな個性の村人たちが平和に仲良く暮らしている村の雰囲気がいいと思った。また頑張り屋の主人公に好感が持てた。この映画の良くないところは物語の展開に抑揚が少なく淡々と話が進むところ。本作はテレビゲームソフト「あつまれどうぶつの森」を題材にした映画化作品だが私は原作のゲームを知らないのでゲームネタがわからなかった。
私はこの映画を見てわれわれ人類も地球の一部であると思った。長い年月でおおきな視点で楽観的に地球の歴史を見ると人類は仲良く他の動物たちと共存をしてきたしそしてこれからも共存していくのだとこの物語からは気が付かされた。主人公のアイは動物の村人たちとの交流によって自分もかけがけのない地球の一部であると悟ったに違いない。一個人は地球でもあるので一個人の価値はとても高く軽視してはならないと思った。
本作で私が気に入ったエピソードは物語終盤の主人公と地球外生命体UFOとの交流である。主人公の地球外生命体UFOとの交流の場面では主人公が地球の大事な一員であることが強調されていると思った。私はこの場面で地球外生命体の存在に気が付くことによってかけがえのない地球上の全生命体と地球との一体感を感じた。私はこの映画を見てアメリカの名作映画「ニューヨーク東8番街の奇跡」(1987年)を思い出した。「ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年)」は地球外生命体UFOと人間の温かい交流が描かれている。ニューヨークに建っているアパート兼店舗の古い小さなビルの話。そこに住むオーナーの老夫婦やその住人たちは都心部の再開発マネー目当ての悪徳不動産屋によって嫌がらせを受けていた。この古いビルがなくなれば大きな新しいビルが建てられるので悪徳不動産屋はありとあらゆる嫌がらせでこの古い小さなビルの住人を立ち退かせようとしていた。だが住民たちと仲良くなった地球外生命体UFOが奇跡を起こして住人達を助ける話である。「ニューヨーク東8番街の奇跡(1987年)」での古い小さなビルのオーナーの老夫婦とその貧乏な住人たちは社会の経済優先の風潮のために見捨てられ無視される。これは日本も含む現代社会への強烈な風刺である。社会の経済発展がなによりも優先され、経済に貢献しない人々は無視されるという人類の幸福を経済のみで量ろうとするいきすぎた現代資本主義の経済優先主義は第二次大戦中の全体主義とそれほど変わらないと私は思う。「劇場版 どうぶつの森」では終盤に主人公アイが地球外生命体UFOと仲良くなるのだが私にはこの地球外生命体UFOたちが人類の幸福の追求とは逆方向に進んでいる現代社会への警鐘の目的のために来たのだと思った。われわれ人類は地球の一部であるので地球の意思を感じとり進むべき未来を決めるべきであると思った。
視聴:液晶テレビ(有料配信アニメタイムズ) 初視聴日:2025年7月24日 視聴回数:1(早送りあり) 視聴人員:1(一人で見た)