「この距離感がいい」暗いところで待ち合わせ A-COLORさんの映画レビュー(感想・評価)
この距離感がいい
原作は読んだことがないので、そういう人が観た感想ということで。
田中麗奈の儚げな演技には愛おしさを感じてしまいます。
それゆえに心を衝くし、なによりも他のキャラクタたちが彼女を中心に動く動機付けに、もっともらしさを与えたと思います。
一方のチェン・ボーリン演じる中国人とのハーフアキヒロも、彼の存在によって社会から途絶された人間性の心の闇が際立ったような気がします。
もちろん、佐藤浩市が演じるクソイヤらしい上司っぷりも、お見事でした。
全体的に淡々としていましたが、ミチルとアキヒロの共同生活の、もどかしいようなホッとするような微妙な距離感が清々しくて良かったです。
過酷な社会でいかに生きるか。生きることは大変だけど、イヤなことばかりでもない。大事な人との“距離感”が、丁寧に描かれていると思いました。
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