劇場公開日 2006年11月11日

「知性だけでは人を欺けないということでしょうか」氷の微笑2 あんゆ~るさんの映画レビュー(感想・評価)

1.5知性だけでは人を欺けないということでしょうか

2009年7月27日
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

怖い

寝られる

というわけでCSで「氷の微笑」の続編がやってました。前作から14年たったとのことで、いくらなんでもシャロン・ストーンも限界があるだろうと思い、観る前から全然期待してませんでした。

前作の舞台はサンフランシスコだったのですが、本作はロンドンになっています。今回のシャロンの餌食になる男は精神科医です。内容的に本質は前作とまったく一緒です。シャロン演じるミステリ作家が新作の執筆をする過程で、その題材となる登場人物に近い人間に接近するというのが本筋です。

観終わって真っ先に思ったのは、脚本はすごく練られているなということ。そういうわけで物語の整合性はいいのですが、それは内側だけの事で、ふと意識を外にそらすと物語全体に欺瞞があるようにしか思えなかったです。いかにおいしい話であるかを数時間かけて説得されたけど、それでもどこか嘘くさい詐欺話のあれに似ています。

とどのつまりは人間、ここまで計算づくで物事運べないという経験則からの感がそう思わせたのだと思います。前作もシャロンの完全犯罪話でしたが、前作にはそれでも騙されてもおかしくない迫力が作品全体にありました。それは恐らく監督の力と、マイケル・ダグラスのド迫力演技がものを言っていたのだと思います。

勧悪的な世界ほど作り手の力量が試されるということなのでしょう。そう考えるとタランティーノはすごいですね。

あんゆ~る