「強ければそれでいいんだと育った孤児の伊達直人」ナチョ・リブレ 覆面の神様 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
強ければそれでいいんだと育った孤児の伊達直人
「タイガーマスク」の元になった人物らしいが、ジャック・ブラックは伊達直人と全く似ていない。愛称はナチョ。キザ兄ちゃんと言えたものではない。マスクのイメージからしてもザ・デストロイヤーとそっくりなのですが、彼の決め台詞である「ポコチン」を連発するわけでもなく、かなり純情な性格でドジばかり踏んでいる。ちびっこハウスのような孤児を集めた修道院にペネロペ・クルスにも似た美人の修道女(アナ・デ・ラ・レグエラ)がやってきて、「一緒にトーストを食べましょう」と果敢にアタックしたりもするけど、純な彼は孤児たちに美味しいものを食べさせることが唯一の願いなのです。
虎の穴のような施設で特訓を受けるわけでも、有名なコーチにつくわけでもなく、ホームレスの男とタッグ組んで闘牛と闘ったり、蜂の巣をぶつけたりして独自の特訓を続けるものの、試合では連戦連敗の2人。しかし、負けてもファイトマネーがもらえるとわかり、コツコツと試合に出ては孤児院で料理を振舞う。もちろん覆面レスラーだし、教会ではプロレスを観ることさえ禁じられてるので誰も正体を知らない。唯一知っているのは健太とは体型の違う少年チャンチョだけだったりする。
アメリカで作られたメキシコ映画。そんなB級感漂う映画ですが、ジャック・ブラックとキャラクターの面白さで楽しませてくれる。が、やっぱり笑いのテンションは最高潮にまでは届かないほどゆるい展開。プロレス嫌いの人ならば観ないほうがいいのかもしれません。しかし、技のないナチョがスープレックスを決めた途端、ナチョーと叫びたくなるほど盛り上がるのです。それにジャック・ブラックの歌が3曲も聞くことができるというオマケ付き。彼のファンならば必見です。