アントブリーのレビュー・感想・評価
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蟻を見習う必要が有りそうだったし、実際学んだ
体が大きい者が小さい者を支配している主人公の住む世界(子供達の世界)と、大きな生き物と小さな生き物(人間と虫)の関係を重ね、支配からの卒業の仕方を描いている。
圧倒的に強い敵を相手にする時は、団体で協力体制をとって戦えば倒せるというメッセージが有るように感じた。
世界はフラクタルという話も思い出した。また、虫から人間は実際に色々なことを学んでいるが、虫が人から学んでいるかはわかりかねる。今作もピーナッツと呼ばれる主人公ルーカスは、蟻の世界で蟻として認められてローカイという名前を手に入れる。もし、蟻が大きくなって人間界に来たら、人は蟻を人として認めて名前を与えるだろうか、我々人類は今作の蟻を見習う必要が有りそうだ。
こども心で普通に不思議な物語を楽しむことも出来るし、大人なら自分の現実の世界に当てはめることも出来ると思う。
多様性と団結は両立可能であり、目的さえ一致すれば自分を愛するように他人を愛するという理想的な世界の実現も夢ではない、かもしれない。
排泄物も美味しかったり栄養になったり(例えば蜂蜜)、あるいは肥やしになったり、微生物が活躍し分解して土になる。
自然の摂理、自然の法則は完璧である。
色々考えさせられる作品。
迫力満点の映像なので、大画面でアトラクション感覚で視聴すると楽しさ倍増。
美味しい・・・って・・・芋虫のウンコかよ!!
アメリカでもウンコネタです。いじめられっ子のルーカスはいじめられた腹いせにアリいじめをしてしまう。アリたちはこの破壊屋であるルーカスには悩まされていたのです。普段は平和的なアリたちでありましたが、魔法使い(?)であるゾックは人間をアリサイズにしてしまう薬を作ってしまう。寝ている間にアリサイズにされたルーカスは蟻塚の中に連れられ、アリの生活を強いられることになったのだ・・・
『ミクロキッズ』や『ミクロの決死圏』のように仲間はいない。しかも自分がいじめていたアリたちに囲まれ戸惑うばかりのルーカスは、自暴自棄ではあるが、現状を受け入れるしかなかったのです。常に外敵に晒されて危険が多い毎日のアリさんたち。しかし戦うことを潔しとしない彼らは身を守ることに専念するのです。子供たちはチームを作ってエサ取り訓練。自己虫ぽいけど集団行動が基本で、チームプレイがとても大切。仲間を見捨てるなんてことはしないのがアリさんの世界なのでした。
巨大な人間ルーカスが突如現れるテロリストのような扱いだったに対し、アリ王国は武器も持たない絶対君主の平和国家。世界情勢の縮図を暗喩しているかのような世界を描くことも、アメリカが「平和とは何か」を模索し続けていることが根底にあるのでしょうか。それとも全く架空の国をモデルにしたのかわかりませんけど、天敵のようなハチ軍団に助けを求めたり、「赤は嫌いだ」と言いつつ結局は赤を好きになるという冷戦時代の終結を思わせるような台詞があったりと・・・そんなこと子供にわかるわけありません。
また、童話だと鯨に飲み込まれるのが定番ですが、この昆虫世界では蛙に飲み込まれるのです。これも何かのメタファーなのか?などと考えているうちに緊迫感がどんどん増して、思わず子供目線になって見入ってしまいました。悪い奴に服従することなく皆で力を合わせれば意見が通る!なんだか感動しちゃいました。
それにしてもトム・ハンクスのプロデュースで、ニコラス・ケイジやジュリア・ロバーツ。メリル・ストリープ、レジーナ・キング、ブルース・キャンベル、ポール・ジアマッティ・・・なんで吹替版しか公開されないんですか?
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