「期待しないで観た映画に感動すると「ヒロイモノ」だと言うことができますが、この映画の場合はまさしく「オトシモノ」だった・・・?」オトシモノ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
期待しないで観た映画に感動すると「ヒロイモノ」だと言うことができますが、この映画の場合はまさしく「オトシモノ」だった・・・?
毎回「沢尻エリカがカワイイ」と書くのも芸がありませんが、やっぱり書かないと行が埋まりません。恐怖に怯える表情がよかったとか、彼女の悲鳴がよかったとか、嘘は書けませんし、やっぱり「カワイカッタ」なのです。地下鉄ものホラーにも限界がきているのでしょう。電車に轢かれるとか、死体が落ちてくるとかいった瞬間の恐怖はちょっとだけありましたが、行方不明となった妹を探すといった行動にもスパイスが効いていないので全体的にはのんびりしたホラー。しかも友情物語とか、社会派タッチの結末になってしまってるし・・・
それでも気に入ったところは「落し物を拾ったら行方不明になっちゃう」ところ。拾得物は駅に届けなきゃという純粋な気持ちでさえ踏みにじられる不条理世界。じゃあ、どうしろってんだい!とお悩みの方。何も拾わずにやり過ごし、駅の構内が落し物だらけになってしまえばいいだけの話です。ホラーの世界では無情が当たり前。親切心があっても魔物の餌食になってしまうものです。
可哀想なのは共演者の若槻千夏。男からブレスレットをプレゼントされただけなのに、それが事件の中心青沼八重子のオトシモノだったのです。呪われて列車に轢かれてしまう恐怖もさることながら、彼女の手首がだんだんと紫色に変わり腐っていく様子が痛々しい。しかもブレスレットをはずそうとしてもはずれなくなったのです。殺されるくらいなら『SAW』のように手首を切っちゃえば助かるのかもしれませんが、ヤクザ世界のオトシマエじゃあるまいし、近くに有能な外科医がいなければ命だって危険です。あぁ、なんて可哀想な千夏ちゃん・・・
小栗旬は爆弾犯がよく似合う俳優だなぁ~と、『イズ・エー』を思い出してしまいましたが、爆破によってもトンネルの奥にあるものは結局わからないまま?旧日本陸軍が隠した秘密軍事基地とか、秘密ゾンビ研究施設とか、731部隊人体実験室でもあったのかなぁ・・・
【2006年10月映画館にて】