紀子の食卓のレビュー・感想・評価
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これがホームパーティだ←失敗する
チャプター1 紀子(17)
・田舎の絶望感から家出をする紀子
・地域新聞記者の父、徹三
・「72時間」でも活躍してる吹石一恵のナレーションが妙に馴染んでる
・上野駅で54人の女子高生が電車のホームから集団自殺
チャプター2 ユカ(15)
・吉高由里子の初々しい舌足らずのしゃべり方
・コインロッカーベイビーの上野駅54さん=クミコは拾ったものを自分の物としてロッカーに預ける
・紀子はネットではミツコ、ユカはユウコ
・妄想日記を書いたあとに家出するユカ
チャプター3 クミコ(25)本名ミツコ
・吹石とつぐみの寝そべるタンクトップから覗く谷間!!
・レンタル家族の人材派遣サービスを仕切るユカ、2016年ではレンタル彼女やレンタルおじさんが実際にある
・家族を亡くした手塚とおるの家にパンクな二人がレンタル
チャプター4 徹三
・海、山、あぜ道がある田舎のトヨカワ市
・姉は自我を忘却し、妹は姉と合流、父は娘を捜索し、母は自殺してしまう
・クミコの父と母も最初いた従業員
・父が実家を再現し、娘をレンタルして直接対決
・不倫して刺殺される役割を演じた決壊ダムさん(安藤玉恵)
ラストチャプター ポケットの中のナイフ
・ラスト30分でいよいよ始まる家族再生計画
・ユカ「みんな楽になりたいだけでしょ」
・家族3人をとらえた画面でユカ「みんなで延長しよ?」の言葉で涙
・最後のポエムは蛇足かな
自殺サークルを見たのが多分3年か4年前。 そのアンサーとも言える内...
自殺サークルを見たのが多分3年か4年前。
そのアンサーとも言える内容だった。あなたはあなたの関係者ですか?という問いは、当時高校生の私の頭で考えて全く理解できなかったが、でも何かがあるような気がしていた。よく覚えていないが、あの時私はどういう答えを出したんだっけ。
紀子の食卓って、題名からして、見るまでほのぼのホームドラマかと思っていたわ。まあ園監督がそんなんで終わるわけなく、期待どおり。
全体に暗さと不穏な雰囲気が漂い、独特の言葉と設定。園監督作品はぶっ飛び過ぎてて一周回らないと理解できないことが多かったが、今回は比較的理解し易いと感じるのは、自分が「演じる」というのを普段やっているせいだろうか。
あなたとあなたの関係はなんですかって、何でそんなこと思いついたんだろう。いくつか引っかかる言葉がある。輪郭。楽になりたいだけ。輪。役割。そう、役割。私はどんな役割を与えられているんだろう。
私と彼との関係を私は知っているだろうか。私と母との関係を私は知っているだろうか。私と私の関係を私は知っているだろうか。きっと知らない。そう考えると全てが虚構のような、狭い部屋に閉じ込められたような、酷く孤独な気分になる。
自分の価値観が壊れていく感覚。自分が今まで当たり前だと思っていたこと、信じていたことが間違っている、自分だけが間違っている、周りの言っていることが理解できない、気にもとめていなかったこと、自分はあっているはずなのにあってないのか??奇妙な感覚が怖い。喫茶店での男のシーン。
書いていて思い出したが、当時自殺サークルでの54人の自殺の理由は、自分と自分との関係を見いだせず、自分に意味がないと感じ死んでいったんだと思っていた。全く的外れだった。彼女達は見出していて、役割を全うしたんだ。彼女達の後の集団自殺は同じサークルの人々?それともただ彼女達を真似した人々??どっちとも考えられる。
園監督の映画は余韻が長い。引っかかる部分を色々残してはいるが後味は悪くない、不思議。
チャプター5まで視点を変えて描くという手法は愛のむき出しと同様。いくつもの視点で見ることによってテーマがより深く掘り下げられると思うし、区切りがわかりやすく、誰かひとりを特別に感情移入することがなくなるため、偏らず全体を見られる、個人的に好き。
それと登場人物達のナレーションが多く、それも淡々と読んでいくが、多いのが決して邪魔ということではなく、このナレーションがあるから深まっている物がある。これがこの映画の肝なんじゃないかと思っている。
若き日の吹石一恵と吉高由里子はひたすら可愛かった。ミツコとヨウコになってからの2人の距離が良い。吹石一恵のかなり染まってしまった不気味さと、まだ染まりきってない吉高由里子の対比が面白い。吹石一恵、もうこの子は過去に戻れないのか、まだ戻れるのかと見る人の心を揺らす演技。一直線で周りが見えていない危うさがよく出ている。あと高校時代の冴えなさがかなりハマっていてよかった、あんなに美人なのに。髪型と仕草って大事ね……笑 園監督作品に出る人はアクの強い方が多いので吹石一恵ってどうなんだろ……て思ってたけど、個人的に良かった。初めて吹石一恵を良いと思った。最後吹石が、さようなら私の青春と言っていたが、これは青春映画かもしれない。登場人物達の突っ走り方に若さと未熟さを感じる。
吉高由里子、凄く上手いってわけじゃないのに何故か印象に残る。吉高のセリフが何故か頭に残る。不思議だ。こういう人っているよね。登場人物はそれぞれどこか危うさを秘めている魅力的な人物達だった。
噛めば噛むほど味が出る映画。書けば書くほど色々な考えが生まれてくる。見る方の想像力を膨らませてくれるのはいい映画の証拠だと思う。
きっと愛する人がいたら見るのが辛い映画だと思う。
あなたとあなたの関係は?
自殺サークルでよくわからなかった部分が、なんだか分かったような気がした。自分の居場所がしっくりこなかった主人公が、旅に出て、自分を演じることの意味を知っていく。そのことに妹が気付き、ラストで同じように旅に出る。自分を演じることにしっくりこない人間がこの世にあふれているからこそ、家族内の殺人やトラブルが起きていくのだと思った。
空想?妄想?現実!
実際の生活の中でも自分の役割を見出だすことは重要なことだなと…
レンタル家族の一員になることで、生き甲斐を見いだした主人公。虚構の家族は手に入れたが実際の家族は破綻していくストーリー。園子温らしい場面展開でした。
追い込まれたことで家族と本気で向き合った父親でしたが、時すでに遅く、家族を取り戻すことが出来なかった描写には考えさせられる物がありました。
発想は凄いと思うのですが自分的には少し尻つぼみ感があったのと、吹石一恵だと何か普通過ぎるなぁ〜と
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