迷子のレビュー・感想・評価
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『楽日』とはセットと言える作品
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※『楽日』と併せてお読み頂ければと思います。
公開初日こちらも俳優の三田村恭伸さんから、前編が『楽日』後半が『迷子』としてそれぞれ45分×2=90分の作品として製作が始まったとの説明がありました。
《SARS》に揺れる大都会で孫を捜して徘徊するお婆さん。
『楽日』が“生と死の狭間”をさ迷い歩く作品としたならば、この『迷子』は“死にゆく都会で生を信じて歩む”作品です。
それは『楽日』では固定された画面上にて役者が動くのに対して、『迷子』ではお婆さんの動きに併せてカメラがパンをし動き廻るからです。
更に観て貰えば分かるのですが画面上に映る映像は2つの時代が平行して描かれていて、それは絶対に交わる事が無い世界なのです。
映画館に連れて行ってくれた大好きなお爺さんが亡くなったのを信じたくない少年は、事実を受け入れ難い為に過去から脱却して仕舞うのです。
しかし時代は過ぎて将来の自分が見えて仕舞った時に初めて自分を見つめ直します。
果たして過去に帰れたのか、それとも…。
成る程『楽日』と『迷子』は確かに2本でワンセットと言える位に密接な関係にある作品だと言えると思います。
(8月26日ユーロスペース/シアター2)
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