ブライアン・ジョーンズ ストーンズから消えた男のレビュー・感想・評価
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27歳で死んだ最初の偉大なミュージシャン
27歳で死んだ偉大なミュージシャン
ブライアン・ジョーンズ1969年 7月
ジミ・ヘンドリックス 1970年 9月
ジャニス・ジョプリン. 1970年10月
ジム・モリソン 1971年 7月
少し間隔が空くが
カート・コバーン 1994年 4月
つまり、27クラブの最初の偉大なミュージシャンはブライアン・ジョーンズだったと思う。それまでにも27歳で死んだミュージシャンはいっぱいいると思うが、私にとってはなんといってもブライアン・ジョーンズであった。
私が最初に買ったローリング・ストーンズのレコードが「この世界に愛を」であった。ちなみに最初に買ったビートルズのレコードは「愛こそはすべて」だった。同じ1967年の発売であるのだが、どっちを先に買ったのかはっきりと思い出せないが、多分「この世界に愛を」だったような気がする。
中学の卒業アルバムで寄せ書きがあったのだが、「この世界に愛を」と書こうと決めていたのだが、自分の書く番が回ったときにはすでに他の人に書かれてしまっていたので、泣く泣く違う言葉を書いた苦い思い出がある。
それはともかくこの映画についてであるが、はっきりってミュージシャンの映画は大体において陰の部分(麻薬や仲間との不和等)をクローズアップするので、そのミュージシャンのイメージダウンになる場合が多く、この映画も例外ではなかった。
転がる石は転がるままに
史上最強のロックバンド《ザ・ローリング・ストーンズ》の創始者&初代リーダーだった男ブライアン・ジョーンズの栄光と挫折、謎の死に迫った作品。
ビートルズよりストーンズ派の私は、彼の妙に殺気立った存在感が好きだった。
身体全体から溢れ出すダークでギスギスしたオーラが誰よりもセクシーでカッコ良かったのだ。
バンドロック、サイケデリック、ヒッピー、フリーセックスetc.当時、流行していた怠惰的カルチャーの象徴だった彼は、私生活でもロックの如く破滅へと向かっていく。
アルコール、セックス、ドラッグ、暴力沙汰etc.トラブルは数知れず。
正にライク・ア・ローリング・ストーンそのものである。
やがて、音楽の創作方針でもメンバーと対立を深め、孤立化。
更なる破滅へとひた走っていく。
手に負えなくなったメンバーは、彼にバンドからの脱退を通告。
遂にクビを斬られてしまう。
その直後、自宅のプールにて溺死体で発見される。
ドラッグの過剰摂取説、持病の喘息発作説、他殺説etc.様々な憶測が乱れ飛んだが、真相は未だに明らかになっていない。
享年27歳。
奇しくも好敵手ザ・ビートルズが解散した年と同じ1969年の出来事である。
どんな楽器でも上手く弾きこなす腕を持っていたらしく、天才がゆえの孤独や苦悩が当時の空気そのままに美しいほど痛々しく描かれていた。
脱退直前から運命の日当日まで彼と親交を深めていた建築士の視線で物語が進んでいくため、ミックやキース達との軋轢や音楽事情を期待しているストーンズファンには物足りないかもしれない。
あれでは単なるヤクでラリラリのゲス野郎ではないか。
まあ、せやから追放されたんやろね。
天才と変態はまさしく紙一重である。
では最後に短歌を一首
『人生は やりてぇことを やりゃあいい 転がる石は 転がるままに』
by全竜
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