ザ・フォッグのレビュー・感想・評価
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アメリカの黒歴史
アントニオ島では生誕100周年を祝う式典が執り行われようとしていた。4人の英雄によって繁栄したこの島はウェイン、キャッスル、ウィリアムズ、マローンの銅像が飾られていた。
ニック・キャッスルは釣り人のための漁船シーグラス号で生計を立てていたが、親友で部下のスプーナーが船上パーティをするために勝手に使用。そして濃霧が発生した直後に消息を経ってしまうのだった。一旦濃霧は収まり、シーグラス号も発見されるが、スプーナー以外の3人が無残な死体で発見される。
そして、その夜、またもや濃霧が発生して、恋人エリザベスと再会したニック、島のDJスティービー・ウェインとその息子、歴史会館で準備に追われていたウィリアムズやマローン神父が濃霧に襲われようとしていたのだった。
ジョン・カーペンター版を忠実にリメイクした上に、人物相関図がわかりやすくなっていた。製作にもカーペンターの名前がクレジットされていることから、このわかりやすさとアメリカが侵略によって豊かになったことを皮肉たっぷりに描いているのが凄い。
元をただせば、プリンス・ウィリアム島から脱出してきた帆船の乗員たちの財宝を奪い、火を放って皆殺しにした黒歴史が浮かび上がり、その復讐のために乗員の幽霊たちが島を襲うというお話。エリザベスがその帆船デイン号のお嬢様そっくりだったことにも驚かされ、復讐とエリザベスを奪うこと、歴史を糺そうとする幽霊たちだったことに納得。英雄なんてどこにもいない。あるのは略奪と殺戮のみだった・・・侵略という黒歴史の縮図という点では満足いくリメイクだったけど、恐怖心を煽るドンドンとドアを叩く効果音がうざい!6人から4人に絞った点や、殺戮も控えめだったことなどから、オリジナルよりも上質になっていた気がする。
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