「英雄」父親たちの星条旗 高岡 正和さんの映画レビュー(感想・評価)
英雄
もし自分が、星条旗を立てていたとしたら。
英雄に仕立て上げられたとしたら。
何も語らずに死んでいく方がいい。
そう思うかもしれない。
アルコールで全てを忘れ去ろうとするかもしれない。
でも、それは死ぬまで忘れることはない。
「英雄」に仕立て上げられた者が背負わざるをえないもの。
恐怖、悲しみ、怒り、惨めさ、失望、罪悪感。
英雄はずっと「何か」から
逃げて生きていかなければならない。
英雄に武勇伝を語らせようとするのは、
とても残虐なことなんだろう。
それでも死ぬ前に、
あの日のあの笑顔のことを思い出し語れたのなら、
生き延びてよかった、報われたような気持ちになった。
本当に、お疲れ様と言いたい。
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