「ベストオブベスト」ロング・グッドバイ ONIさんの映画レビュー(感想・評価)
ベストオブベスト
何度も観てるのに映画館で観るのははじめてだったけど、当時(と言ってもテレビサイズのレンタルVHS)の衝撃のまま今でも観終える凄み。
とにかくあのチャンドラーの原作をこんな風に扱っちゃって、あれだけ無駄を突っ込んで、111分ってなんなんだ。アルトマンはもちろん、リーブラケットの脚本、ビルモスジグモンドの撮影、ジョンウィリアムスの音楽、端の端のチェビーチェイスのギャグににシュワルツェネッガーの肉体まで、見どころ満載過ぎ。
なんかYMOとか個々の能力とは別にふざけたり遊んだりしたのが受けたりしたのに似てるのかも。本当に原作に心酔してたらこんな映画はできない。偶然にもミステリーなので縦方向のストーリーがかっちりある中で好き放題やってる感が凄い。途中でもう筋はなんだっけというくらいその他が面白すぎるのは同じくチャンドラー×リーブラケット×フォークナーの「三つ数えろ」も同じ。
常に動き回るカメラ、ファンタジーのようなオールドカーと時代から浮いたネクタイを外さない飄々としてタバコ吸いまくりの猫には滅法弱い探偵。しかも常に動き回っていたぶられる。焦点の定まらない悪徳たち。その後の映画監督たちに絶大なる影響を与えたマスターピース中のマスターピース。
今みると、やはりこんな無駄(本筋と関係ないとこ)に時間費やして111分てなんなんだ。
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