「スパイアクション映画とは本来こうであるべきだと思います スパイ映画はサーカス映画ではないのです」RONIN あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
スパイアクション映画とは本来こうであるべきだと思います スパイ映画はサーカス映画ではないのです
RONIN
1998年米国映画
ジョン・フランケンハイマー監督
ロバート・デ・ニーロ主演
そこにジャン・レノも出ているとなるとこれはもう絶対面白いとわかります
Ronin とはまず何のことかが冒頭で説明されます
Samurai は、アランドロン主演の1967年フランスのノアール映画の金字塔
プロフェッショナルでニヒルな殺し屋が登場しました
つまり、それを思い出して欲しいとタイトルで、そのような映画だと主張しているのだと思います
ということで、パリやアルルが主要な舞台となります
プロフェッショナルな特殊工作員なれども冷戦が終わり組織が縮小されれば(元)工作員です
それを浪人になぞらえています
中盤に赤穂浪士のことを説明しようとするシーンもありますが、それは死をも恐れず必ず目的を遂げる男達であると強調する為だけです
お話は赤穂浪士みたいな仇討ちではありません
ある危険な仕事を腕の立つ元工作員を集めてやらせるというもの
なので、どちらかというと1963年工藤栄一監督の「13人の刺客」に近いです
序盤からかなり高い緊迫感で始まります
ある危険な仕事とはジュラルミンのケースを数名の男達から奪うことですが、中身が何か、誰が何の為にしようとすることなのか、主人公達も観客にも皆目知らされず、目標の情報も大雑把なことしか与えられません
それでもそのケースを奪うシーンは序盤戦の内早々にあり、お話はサクサクとテンポ良く進みます
味方も敵側も如何にプロフェッショナルなのかを説明していくシーンがいちいち唸らされます
そしてプロフェッショナルでないものはすぐに首になります
かなり派手な銃撃戦も、街中でのカースタントシーンもありますが
某スパイアクションシリーズみたいな目を剥く曲芸スタントは売りにはしません
現実的なものばかりです
それで十分迫力があります
銃撃戦になれば主人公が被弾もします
不死身ではありません
いつしか、ロバート・デ・ニーロとジャン・レノがお互い認め合う相棒になります
美貌の女スパイも登場して、キスシーンもありますが、それはオマケみたいなものに過ぎないのです
しかし、裏切りに次ぐ裏切りで、本当に誰を信じ切って良いものか最後まで気が抜けません
一応ラストでケースの争奪戦は何の為であったかはほのめかされる程度で、結局皆目分からないまま映画は終わります
スパイアクション映画とは本来こうであるべきだと思います
スパイ映画はサーカス映画ではないのです
蛇足
47RONIN は2013年の米国映画
タイトルが似ていますが、あんなクソ地雷映画と混同なされてはなりません
本作のいい迷惑です