「迫力のハードボイルド・アクション」RONIN Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
迫力のハードボイルド・アクション
総合:85点
ストーリー: 80
キャスト: 85
演出: 85
ビジュアル: 75
音楽: 65
次々と出てくる陰謀と裏切り。有能であったが年齢を重ね近年はあまり恵まれてはいない元CIAらしきロバート・デ・ニーロや、その彼と一緒に仕事をして彼の能力や生き様に魅力を感じていくジャン・レノ。そのような登場する男たちがプロとしての誇りをかけた仕事振りを見事に見せてくれる。彼らの行動の一つ一つが訓練を受け経験を積んだものだというのがわかる設定になっていて、そのために彼らの凄さが理解できるしだからこそ迫力が出る。ホテルの前で相手の写真を撮るために新婚を装ったりわざと荷物を倒して相手の反応を見るのはその一つ。
相手に裏切られて姿をくらまされても情報源があったりとかして、あっさりと居場所を探り当ててしまうのは随分と便利すぎないかと思った。でも実はそれにも裏があった。IRA、KGB、CIAといった言葉が端々に登場して、状況の複雑さを暗示する。決して明かされることのない事情が裏に隠されている。ハードボイルドに最後まで徹した映画として評価できる。他のサイトを見ても意外と多くの人の評価は低くて、実際のところ興行収入も良くないのだが、私は俳優の良さや演出の質の高さでこの作品はかなり面白いと思った。
恐らくCGなしの実写によるカーアクションはこの映画の見所の一つ。よくパリでこんな大掛かりで危険な場面が撮影できたものだと感心する。東京で同じことするのは無理だろう。
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