「映画作りの情熱とアイディア、そして夢を込めた傑作として今に残る。」レイダース 失われたアーク《聖櫃》 星組さんの映画レビュー(感想・評価)
映画作りの情熱とアイディア、そして夢を込めた傑作として今に残る。
まずパラマウントのロゴからオーバーラップ、実写に乗り替わると、ロゴと同じ形の山に変わるファーストカットのセンスの良さには驚いた。スピルバーグとルーカスは、ハワイで自分達の作りたい映画の夢を語り合い、このインディ・ジョーンズの構想を固めた。会議室ではなく、作りたい映画の「夢」から始めたことは大きかった。公開から40年以上経った今見ると全体のスピード感こそ乏しいが、逆にあの手この手で観客を楽しませようとする演出効果に古さは感じられない。
随所に見える「情熱とアイディア」
光と影と構図。そして楽しんで作る事。
スピルバーグの優秀なところは上記に長けているところ。
ルーカスの長けているところは冷静に構築できるところ。
大切なのは遊びながらも真剣に取り組んだ映画だということ。
映画のコンセプトは秀逸で、真似をしても才能は越えられない。
この二人の築き上げたジョーンズ博士は、地の果てに行き、知識を積み重ね、悪を恐れず、宝の確保と保護に最善を尽くす。しかしスーパーヒーローではなく、弱さを含めた人間を描いている。鑑賞後はジョーンズ博士と同じ冒険をした気分になり、同時にジョン・ウィリアムズの作ったテーマ曲を口ずさんでいる。いつの間にかスピルバーグとルーカスの引いたレールの上に自分が乗っていることに気が付く。
ハリソン・フォードはこの作品で単独の地位に着いた。また後のジュラシック・パークのフォントは、インディ…のオープニング・タイトルとクレジットの雰囲気と同じ。因みに映画制作の40年ほど前、世界では大きな戦争が始まっていた。
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