「40年前ですら古臭かった活劇に刻まれていた温故知新に今更感銘を受けるスタンダード中のスタンダード」レイダース 失われたアーク《聖櫃》 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
40年前ですら古臭かった活劇に刻まれていた温故知新に今更感銘を受けるスタンダード中のスタンダード
著名な考古学者でありながら凄腕のトレジャーハンター、インディアナ・ジョーンズ教授のもとに米国政府からモーゼの十戒が刻まれた石板を収めた聖櫃をナチスドイツが探しており、聖櫃の在処を示すラーの杖飾りをジョーンズの恩師レイヴンウッド教授が手に入れたという情報がナチスドイツにもたらされたことを知らされる。神秘的な力を持ち神との通信機とも言われる聖櫃をナチスドイツより先に手に入れるよう依頼されたジョーンズは手がかりを求めてネパールへ向かうが・・・。
塵一つないクリアな映像で甦った物語はこれぞ冒険活劇。今考えると1981年当時ですら古臭いベタな演出ですが当時の中学生には何もかも新鮮だったことを思い出しました。しかしながらそんなスタンダードな物語をサルやコブラまでもが演技をしているかのようなカットや様々試行錯誤の集大成である特殊効果を駆使して表現した映像は温故知新そのもので、ルーカスがSWで目指したものの延長線上にあるもの。それらを一番多感な時期にスクリーンで観た興奮が未だ冷めないからこそ今もこうして老いたゾンビのようにスクリーンの灯りを求めている、自身の原点を大画面で確認するかのような得難い体験でした。
新しい発見はそれほどありませんでしたが、べロック教授を演じているポール・フリーマンが熱演の余り顔面にたかったハエを顔色一つ変えずにパクッと食ってしまったカットには仰天しました。あと、今では当たり前となった自らガンガン戦うヒロイン、マリオンを演じたカレン・アレンのツンデレにもざっくり胸を抉られました。
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