「神様からの賜物、ブラッド・ピット」リバー・ランズ・スルー・イット talismanさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5 神様からの賜物、ブラッド・ピット

2025年10月1日
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鑑賞方法:映画館

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ロバート・レッドフォードの映画は監督作品も出演作品も多分見たことがなかったが、美しい人、良きアメリカを体現している人というイメージをなんとなく持っていた。

この映画を見ることができてよかった。川と土と木々と森に恵まれたモンタナの自然の美しい映像は自分まで清められるようだった。色んな文化をヨーロッパから持ち寄って移民によって作り上げられた町と家族のお話。筋も知らず初めて見る映画だったので、いちいち次はどうなるか予想をたてながら見ていったが、予想はことごとく外れた。一つ以外は外れて嬉しかった。

老境に入ったノーマンが語る子ども時代からの話は、厳しくも愛情溢れる家族愛と仲の良い弟ポールとの兄弟愛に満ちていた。その中心に常にあるのはフライ・フィッシング。メトロノームのリズムから学習する難しそうな川での釣りだ。幼い二人は父親から教わり、いつの間にか弟のポール(ブラピ)が釣りの天性を表す。川の中に立ち水面に反射される光を浴びるポールは天からの賜物みたいに美しかった。

二人の息子が大人になってから、父親は何気なく、ポール(ブラピ)は「姓(Maclean)を大文字にしたようだ、スコットランドだからな」と言うシーンがある。MacLeanにしたのかMcLeanにしたのかよくわからないけれど、出自がスコットランドであることを意識してのことなんだろうか。誰の出自にも敬意を表することは、ポールのガールフレンドが先住民であることにも繋がっているように思う。美しい自然、釣りを愛するポールにとってその自然をそのままの形で大事にしてきた先住民への尊敬と感謝の気持ちがある。この映画は1992年公開なので、先住民問題はまだ意識化されていなかったろう。映画でも「インディアン」と言っていた。だからレッドフォード監督も意識していなかったと思う。

この映画が撮影された頃、ブラピは27~28歳だったろう。その前年公開の「テルマとルイーズ」でもキラキラ輝いていたピット。30歳までの人間の顔は天から与えられた子ども顔(何かで読んだ気がする)というのは本当だと思った。俳優ブラピはそれから思考し、天任せにしないで自分で大人の顔にしていったんだ(と、勝手に思う)。ポール=ブラピに備わっているユーモア、誠実、勇気、優しさが私は大好きだ。

子ども時代のノーマンを、まだ10歳に満たないジョセフ・ゴードン=レヴィットが演じていて本当にかわいくて上手かった!

少しセンチメンタルというかノスタルジーが前面に出ていた映画ではあったけれど、性格がよくて憎めない、光り輝くブラピを見て幸福感に包まれた。

talisman
あんちゃんさんのコメント
2025年10月1日

共感ありがとうございます。ロバート・ レッドフォードは4歳年上のジェームス・ディーンにすごく憧れていたという話があります。ブラッド・ピットにJDの面影をみていたのではないかと私は推測しているのですが。

あんちゃん
seiyoさんのコメント
2025年10月1日

こんにちは〜。共感ありがとうございます。
ちょうど今、ブラピ様のF1を見終わったところです。ちょうど帰るところです。

こちらも良い作品ですね
美しい映画ですね

seiyo
チネチッタさんのコメント
2025年10月1日

フォローさせていただきます。

チネチッタ
きりんさんのコメント
2025年10月1日

talismanさん
出来立てホヤホヤのレビュー✨読ませて頂きました!映画館から出てすぐのtalismanさんの熱いレビュー。

レッドフォードの監督業と云えばもう一つ「モンタナの風に抱かれて」。そしてもう一つ「普通の人々」ですね。
土地が(風土と時代が)人のメンタルに与える力をストレートに表現した映画人であったかも知れないですが、同時にえらく生真面目で気難しい人ではあったんだろうなぁと感じます。
本作でも奔放に生きたブラピへの憧れと審判をすごく感じたもので。

亡くなりましたねえ。

きりん
トミーさんのコメント
2025年10月1日

共感ありがとうございます。
神からの賜物、仰る通りですね。だから早く天に還ってしまうのか。
アメリカ、釣り、家族、北極海大決戦でも引用されるテンプレートにこの作品はしてしまいました。

トミー
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