「『羅生門』」羅生門 リッキー Rickieさんの映画レビュー(感想・評価)
『羅生門』
「明日に向って撃て!」からかな。男二人に女一人の組み合わせは結構観てきたが、この形は初めてというより前代未聞な展開に変な興奮を覚えた。
死と背中合わせになった女特有の妖艶な匂いを滲み出す京マチ子、突然豹変する演技が拍車を掛けるようにクライマックスへと、いや真っ逆様に奈落へ突き落とされていく感覚だった。
女に手玉に取られた三船敏郎と森雅之の切羽詰まった男の演技も胸に迫る素晴らしさだった。
最後に少し救われるエンディングに妙な安堵感が心に広がっていく感覚。
傷が癒えていく、それが火傷だったのか凍傷だったのか痛覚が麻痺するような映画だった。これも黒澤マジックか。
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