「日本知性の宝庫」羅生門 mark108helloさんの映画レビュー(感想・評価)
日本知性の宝庫
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この作品のすばらしさは既に様々な指摘や研究がなされている。それ以上に、この原作が芥川龍之介と言う天才がおり、その彼が目を付けた今昔物語集と言う世界に類するもののない物語コンテンツの宝庫を歴史的に抱えて来た日本なればこその子の映画ではないだろうか。他の方が指摘している本来黒澤が主演に原節子を切望したことや雨に墨汁を入れたり、日光を初めてフイルムに取り入れたり・・もう撮影記録一つとっても宝庫の極み。今昔物語集は手塚の「どろろ」と言う裏の最高傑作も生みだしている事をここで付け加えておく必要がある。もちろん多くの研究が指摘している通り「どろろ」は室町時代の百鬼夜行絵巻がその原点である。しかしその背景には平家物語や御伽草子がありそのルーツは今昔物語集へと辿ることはできる。日本に眠る多くのコンテンツの宝物殿はこれからも数多くの傑作を生みだし続けるであろう。シン・エヴァンゲリオンと言う物語のように。
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