劇場公開日 2008年11月29日

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「考えさせられた」羅生門 トマトマ子さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5考えさせられた

2016年10月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ラスト10分のテーマの集約がすごい。
同じ人間でも、見る人の立場によって善にも悪にもなり得る、的な映画は最近よくあるけど、
人間の心の動きの複雑さそのものについて考えさせられた。

単純に良い人と悪い人が共存してるわけではなく、両面備えてることを全員が自覚しつつ巧妙に騙し合い助け合いながら生きてる、というのがまさに人間社会のあり方なわけで。

だから、冒頭で「あんな恐ろしい話が!」と前振りがあって始まった回想場面も、終盤には「そんな話珍しくもない」と一蹴される。
確かに現実社会に比べたら揉め事レベルの出来事でしかないし。

語り手3人の中で善、悪、一般人が分かれていたのは面白かった。一般人が善に目覚めて去っていく場面見ながら、でもこの後何するかわからんよな…と疑ってしまったから、もう私も人間の良心を信じてないのかもしれない。

もっぺん観たい。

ケロケロケロッピ