「狂気に走る女は怖い」ゆりかごを揺らす手 Cape Godさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気に走る女は怖い
クリックして本文を読む
総合70点 ( ストーリー:70点|キャスト:75点|演出:70点|ビジュアル:70点|音楽:70点 )
一見幸せそうな成功した家庭の生活から物語は始まる。とても平和で幸せそうなその姿からはその後の展開が想像しがたいが、しかしこの姿があるからその後の生活での対比が生きるというものだ。一瞬にして夫と子供と財産を失い、しかもそれが不幸な子供時代からようやく手にした幸せだったのだから、レベッカ・デモーネイ演じるペートンが狂気に走るのもわかる。
こんなときには女は相手の女を恨むものらしいが、それはもう理屈ではないのだろう。いい人を演じて感情を殺して冷静に計画を進め、子供に自分の乳を与え家庭を乗っ取れるなどと思うその異常さが怖い。そして感情をむき出しにして相手に敵意をむき出しにする姿は、もう人の顔をした怪物になっていてこれもまた怖い。
わざわざ地球外生物など登場しなくても、逆恨みに突っ走る女が登場するだけで怖いということを思い知る作品でした。彼女を観ていると、恨みから鬼の顔になった女の顔の能面を思い出す。
ガラスは危険だけど、天井からくだけ落ちたくらいでは急所にささらないかぎりは大怪我をしても必ずしも死ぬものではないし、計画が甘いと思うがどうだろうか。それとクレアが夫のことを本当に自分を理解してくれたと言っているが、そのような過去のことをもう少し描いてくれればより彼女の狂気を理解できた。「危険な情事」と似ているが、一方は完全に悪者でもう一方は完全に善という色分けがはっきりしすぎている。ジュリアン・ムーアが脇役で出ているが、今作では普通すぎて目立っていない。
コメントする