「ルキノヴィスコンティの初期作」郵便配達は二度ベルを鳴らす(1942) Kenkuさんの映画レビュー(感想・評価)
ルキノヴィスコンティの初期作
ルキノ・ヴィスコンティは晩年は退廃的な貴族社会をリアルに耽美的に描き、一時ブーム化しました。
中期は冒険的な作品の若者のすべて、地獄に堕ちた勇者どもが好きな作品でした。
私は晩年の作品を先に知り、遡ったのです。
戦前のネオリアリズムの時代に撮ったのがこの作品です。
流れ者の若い男と街道筋の小さなレストランの若い人妻との火遊び。
ヴィスコンティは名門貴族の出身だが、最初は底辺に生きる人々の生き様を描く監督でした。
揺れる大地はその典型ですが、この作品はすごくドラマチックなのです。リアリズムであり、エモーショナル。
この静からエモーショナルな所に移行するやりかたこそがこの監督の醍醐味です。中期も晩年作も共通。
また美術というかそつがない。名監督は映像に隙がありません。ストーリーだけなんだかんだ、テーマがなんだかんだいうのは映画の見方としてちょっとおかしい。絵画や彫刻や舞踊や音楽をテーマを主に鑑賞する人はいないが映画ファンの一部は偏った観かたをする。もっと違う見方があります。
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