「どひゃーーー!」もののけ姫 のぞみさんの映画レビュー(感想・評価)
どひゃーーー!
今になって評価する必要なんてないよね。
腰据えてみるのはちびっこだった時以来だと思うので30の誕生日に観た時に思ったことを書こう。
大きく3つ
1
冨樫作品を彷彿とされる演出がいくつかあるなって思った。
10人がかりで開ける城門は試しの門みたいだし、たたらばでエボシとサンの間に入る時の呪いの見せ方は厨二病の代名詞のアレだったり。一般的な表現なんだろうか。時代的にはかなり近いみたい。
2
高校生の時から原作ナウシカを何回も見返していてこの度もののけ姫をみて強く思ったのが
「底の見えない絶対的な腐海」と、畏れられてはいるものの大陸からの技術なども入ってきて「少しづつ削られ開発なんかもされてしまっているシシガミの森」
その2つを対比して見てしまったからとても切なかった。人間の飽くなき欲望は神すらも殺してしまう。視聴者、第三者からしたら無粋に見える行動も実際にそこで生きている人間からするとその日を生き抜いてより良い未来を獲得するための最善手でありとやかく言われるものではないのだろうけれど。ままならないものだね。
こだまに焦点当たりがちだと思うけれど森に飛んでる羽虫って大王ヤンマ、、?
3
フルセルじゃないとイカンっては思わないし心が震えればどんな手法だってそれが正解だと思うけれど、それでも安心みたいな感情が出てくるな。ジブリ、駿の狂気について語るのは今更なのだろうけれど。今作は2時間の長編ということもあって、お子ちゃま連れでご観覧なさってるお客様の影が野を駆けるアシタカさながらにトイレへ急ぐ様子が何回か見られた。そんな長時間全く退屈させない密度感はさすがとしか言えない。
劇場で見るのはそれはそれは特別な体験なのだろうけれどリモコンで止めながら画をゆっくり舐め回すように見たいシーンが矢継ぎ早で溺れてしまいそうだった。そんな中でも導入の祟り神のうねうねと四つん這いで走り回る冒頭の1カットに衝撃を受けた記憶はある。しかし具体的にどのカットか思い出せないし文字に起こすことができないのは悔しいから、明日また見に行こうかと考えている。
私が見たシアターは2kって注意書きがあったけれど、後ろのブロックの最前列で見ても全くつぶれてるようには見えなかった。4kかどうかは取ってつけた付加価値みたいなものなのかなって思った。この時代ブラウン管で見たとしても十二分に楽しめるだろうし、かえってローファイ感があってエモいって言葉を当てがわれるのだろうな。
とにかく素晴らしい体験でした。
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