「鑑賞力がより問われる作品」ミツバチのささやき pekeさんの映画レビュー(感想・評価)
鑑賞力がより問われる作品
「午前十時の映画祭」で鑑賞。
後半まで、ちっとも面白くならないので、「どうしてこれが名作といわれているのだろう?」と疑問に思いながらスクリーンをにらんでいました。
でも、そうは思いながらも「退屈だなぁ」とは感じなかった。それぞれのシーンは、とてもしっかりと作られていたからです。
エリセ監督は、ひじょうに綿密な計画のもと、隠喩法(と言っていいのかな?)を多用して、本作を構成している。そして、この作品はとても「映画的」な映画だな――という印象を受けました(「映画的」って、どういうことかはっきりとはわからんけど)。
というわけで、物語の途中からは「なるほど、よく出来ているな。たしかに名作かもしれないな」と、そいういう感想を抱くに至ったのでした。
我々鑑賞者は、この物語の世界に深く入りこみ、その表現しようとするところを丁寧に読み解き、感じることが求められる。そうすればするほど、さらにこの映画の骨組みの強さを知ることができるのでしょう。
言うまでもなく鑑賞する側の真摯な姿勢というのはどの作品にも必要なわけですが、本作にはさらにそれが要求されるのではないかと思いました。
いずれにせよ、個々の鑑賞力がとても問われる作品にはちがいないでしょう。
スペイン内戦という、本作の背景を知れば、もっと深く鑑賞できるのかな?
それにしても、あの主演の女の子は可愛すぎますね。
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