「オールドボーイ・ミーツ・ガール」赤毛のアン(1986) ぷにゃぷにゃさんの映画レビュー(感想・評価)
オールドボーイ・ミーツ・ガール
赤毛のアンは孤児で、本を読むのが好きで、持ち前の想像力を駆使して、辛い毎日をトリップして乗り切っている。そんなアンが、手違いで年配の兄妹のもとへやってくる。
こどもの頃に原作を読み、当然アンに感情移入するのだが、年をとった今は、マシューとマリラに共感してしまう。仕事に役立つ男の子を引き取ろうと、時間をかけて検討して決定したのに、まさかのハプニング。でも、生命力あふれる女の子に、決定を覆されてしまった。この老境に差し掛かる人間の心を、こんなにも大きく動かすもの、それはまさに慈愛。守られるべき子供を、大人が守る。温かい寝床と食事を与える。教育する。そして、見返りを求めない。
内気で女性と会話もできないマシューが、アンには心を開くことができる。惜しみなく愛を注げる。それは、彼の人生にどれだけの色を与えただろう。そして、アンもマシューへ、信頼と愛を返すのだ。愛情は、欲するだけでも、与えるだけでもなく、交感するものなのだ。「赤毛のアン」が時代を経ても人の心を打つのは、愛情というものをしっかり描いているからだと思う。
NHK BSの放送を録画で。
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