「【”少年から大人へ” 一直線に伸びるアイダホの道を通って、孤独な魂は何処へ・・。】」マイ・プライベート・アイダホ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”少年から大人へ” 一直線に伸びるアイダホの道を通って、孤独な魂は何処へ・・。】
かなり、難解な話だと思う。もしくは、色々な解釈が出来る物語と言っていいかもしれない。
冒頭、「ナルコレプシー」の定義が流れる。(故、色川武大さんが罹っていた病としても有名。)
場面は”ある一直線に伸びる道で、ナルコレプシーの発作で気を失ったマイク(リヴァー・フェニックス)を腕に抱きかかえる女性の姿が映され、
そして、マイクが体を売るシーン。
更に、ポートランド市長の息子、スコット(キアヌ・リーブス)も同様の生活を送っている事が描かれる。
ー故、リヴァー・フェニックスとキアヌ・リーブスはタイプは違うが、当たり前だが、凄い美青年である・・。ー
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■今作は、場面転換のスピードが速い。
・マイクがスコットと母親を探しにポテトの国”アイダホ”に行くシーン
ここでは、二人が焚火を囲んで話すシーンが秀逸。マイクのスコットに対する思いが発露する。マイクを抱きかかえるスコット。
・マイクの兄から母はイタリアへ行ったと言われ、”イキナリ、ローマ”
更にイタリアの田舎で出会ったカルミラという少女から、”ここにはもういない。戻った”と言われ、又、ポートランドへ。
■今作は、不思議なシーンも多い。
・マイクとスコットが男性用ポルノ雑誌の表紙になっていて、会話をしているシーン
・スコットがイタリアで出会ったカルミラとの絡みのシーン(マネキンのような静止画?)
・ハンス(ウド・キア)とマイクとスコットの三つ巴絡みシーンも静止画?
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ポートランドでは、スコットは三つ揃えのスーツをビシッと着こなし(キアヌ・リーブス更に男前・・・)、父の後を継ごうとしている事が分かる。
彼と、マイクを体を売る道に連れ込んだ、ボブに対し、
”お前は、サイケデリックな元教師。亡き父より愛情を感じるが、もう戻らない。近づくな!”と宣言し、ショックを受けたボブはショック死。
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そして、スコットの父の葬儀をする脇で、大騒ぎをするボブの仲間達。その中にはマイクもいる。
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ラスト、再び場面はあの一直線に伸びるアイダホの道。
しかし、今回はスコットはおらず、マイクのみ・・。そして、ナルコレプシーの発作で気を失ったマイクの脇にトラックが停まり、マイクの鞄と靴を持って走り去る・・。
そして、又別の車が通りかかり、マイクを乗せ走り去る・・。
<一度見て、内容が一部掴めずに再見して、漸く、薄らぼんやりとガス・ヴァン・サント監督が言わんとしている事が分かったような気がした作品。
が、アイダホの広大な一本道の映像は美しく、そして若きリヴァー・フェニックスとキアヌ・リーブスの姿も圧倒的に美しい作品でもある。>