劇場公開日 1952年1月5日

「次世代への継承と親子愛」赤い河 根岸 圭一さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0 次世代への継承と親子愛

2025年11月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 大きな事業を成し遂げるには、ダンスン(ジョン・ウェイン)のようにワンマンなところが無いとむしろ駄目なのだろう。自分がこうしたいという考えを明確に打ち出して、多少強引にでも進めていかないと統率が取れない。そういう彼だからこそ大牧場の創設とか牛の大移動を実行に移せたのだと思う。

 そこが彼の美質でもあるが、それは同時に人の反感を買うという悪い側面もある。彼のワンマンぶりは度が過ぎていて、それが養子のマシューを中心とした反乱つながった。しかし、牛の大移動を見事に成し遂げたマシューを見て、前から牛のブランドを継承しようと思っていたダンスンもついに実行に踏み切った。養父の良い部分を継承し超えていくという、次世代への継承と親子愛がストーリーの肝に感じる。

 牛の大移動という困難と親子愛を描いた重厚で面白い映画だった。

根岸 圭一
PR U-NEXTで本編を観る