「マッカーシー‼️」ボディ・スナッチャー/恐怖の街 活動写真愛好家さんの映画レビュー(感想・評価)
マッカーシー‼️
この作品は50年代最高のSF映画だと思います‼️内容は皆さんご存知、寝ている間に宇宙人の繭にされ、自分の体を乗っ取られてしまうという侵略モノです‼️それに気づいた主人公マイルズと恋人ベッキーは街からの脱出を試みるが・・・‼️後に何度もリメイクされてますが、やはりドン・シーゲル監督による今作が一番好きですね‼️「あれはママじゃない」と言う少年、「伯父が別人」と訴える姪、自宅に未完成の自分の複製があったり、体を複製してる巨大な豆のサヤ、いつの間にか車のトランクにサヤを入れられていたり、マイルズとベッキーが大勢の "彼ら" に追いかけられるシーンのスピード感など、決して派手な見せ場やスペクタクルシーンは無いのですが、シーゲル監督の躍動感あふれる演出に不安倍増、ハラハラドキドキさせられてしまう‼️そんなシーゲル監督の神がかった演出の白眉がクライマックスのベッキーが "彼ら" になってしまうシーン‼️一瞬、ベッキーから目を離したマイルズ‼️ベッキーにキス‼️異変に気づいたマイルズのドアップ‼️気づかれたベッキーのドアップ‼️恐怖に震えるマイルズのドアップ‼️仲間になりなさいと誘うベッキーのドアップ‼️拒否するマイルズのドアップ‼️仲間を呼ぶベッキーのドアップ‼️闇夜を逃げるマイルズ‼️疑惑、不安、確信、恐怖といった感情が同居する名場面‼️素晴らしいです‼️でもメチャクチャ怖いです‼️初見から30年以上経ちますが、今だにこのシーンのケヴィン・マッカーシーやダナ・ウィンターのドアップの表情は忘れられない‼️と言うか、トラウマになってます‼️そしてこの作品をはじめとする50年代のSF映画は、台頭する共産主義への恐怖を、宇宙からの侵略という形で描く作品が多かったのですが、この作品も宇宙人に取って代わられる設定が共産主義への恐怖を感じさせますよね‼️そして共産主義への恐怖以上に、この作品の価値を高めているのは、当時のハリウッドを震撼させていたマッカーシー議員による "赤狩り" を際どく風刺している点‼️当時の映画人たちは、仲間を売って自分だけ助かろうとする者もいれば、最後まで抗議を続けた者もいて、疑心暗鬼、すなわちこの作品の主人公みたいな状況に置かれていたわけです‼️それを象徴するようなダナ・カウフマン役ラリー・ゲイツのセリフ「明日になれば君も仲間さ」「愛、欲望、野心、信念などない方がシンプルに生きられる」、そしてラストのマイルズのセリフ「君たちは狙われてる!妻も子供もみんな奪われるぞ!奴らはすぐそこに!次は君だ!君なんだ!」‼️マイルズ役がケヴィン・マッカーシーというのも不気味な因縁を感じさせて戦慄です‼️恐怖です‼️安堵したマイルズのドアップの表情で締めくくられるラストカットも、安心の中に一抹の不安を感じさせて印象的でした‼️