ヴェラクルスのレビュー・感想・評価
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バート・ランカスター‼️
メキシコにやってきた南軍のクーパーが、無法者のランカスターと知り合い、意気投合するが、やがて敵味方に分かれ、黄金をめぐっての両雄対決となる・・・‼️アルドリッチ監督が豪快な演出で魅せてくれる痛快作ですね‼️主人公たちが革命軍に包囲されるシーンをスコープ画面いっぱいに展開して、画面使いがホントにウマい‼️正義感に溢れ、実直で渋いクーパーと、野生味溢れるランカスター‼️やはりランカスターですね‼️歯を剥き出しにした笑顔で軽快なアクションを見せるランカスターがホントにカッコいい‼️そしてラストの対決‼️まるで日本の剣豪小説のような、時代劇のような対決‼️拳銃が同時に火を吹き、ランカスターは銃をホルスターに収めてニヤリと笑い、バタリと倒れて勝負アリ‼️クーパーに花を持たせながら、美味しいところは全部持っていってしまったランカスターの映画ですね、今作は‼️
父親の作成したバート・ランカスターの表紙の映画パンフレットが印象的だったが…
地方の映画館で、
父親が構成したバート・ランカスターを表紙
にしたパンフレットが印象的だったのと、
ロバート・アルドリッチ監督の「特攻大作戦」をなかなか面白く観た記憶もあり再鑑賞。
父のパンフレットの表紙は、主役二人や
ゲーリー・クーパー単独のものではなく、
銃を構える特異なポーズを取る
バート・ランカスターだけの写真だった。
当時、父がパンフレットを完成させる前は
該当映画を観ることはなかったはずなので、
パンフレット作成のための資料から直感で
ランカスターのものを選択したのだろう。
そうしたところ、この改めての鑑賞では、
確かにクーパーよりもランカスターの方が
印象深く記憶に残った。
しかしながら、作品の出来としては、
比較する対象でもないのかも知れないが、
直前に黒澤明の「天国と地獄」を観たことも
あってか、
ある意味、どうでもよいシーンの羅列や
説明不足だらけの都合のいい展開の作品
としか感じられず、
特に「天国と…」とは脚本の質に
格段の差を感じるばかりで、
ただただバート・ランカスターの
日焼けした顔の中の白い歯が印象的なだけの
再鑑賞となってしまった。
内容的には🌟一つなのだが、
父親の想い出に貢献頂いたとのことで
🌟二つにおまけさせて頂きました。
まあ、ハリウッドの古きよき時代を象徴する
作品の一つだったのかも知れません。
戦場のメキシコを舞台にクーパーとランカスター共演が魅せる娯楽西部劇の秀作
1950年代の娯楽西部劇の「OK牧場の決斗」「ゴーストタウンの決斗」「ガンヒルの決斗」(ジョン・スタージェス監督作品)の先駆けに位置するアクション西部劇の代表作。監督が前年デビューしたばかりのロバート・アルドリッチでも、それまでジャン・ルノワールやチャールズ・チャップリンの元で助監督の経験を積んでいる。その後「飛べ!フェニックス」「特攻大作戦」「北国の帝王」「ロンゲスト・ヤード」などのアクション映画の秀作を遺しました。主演が53歳のゲーリー・クーパーで晩年の作品群では興行的に大成功を収めた作品。共演が若い時にサーカスの空中ブランコ・プレイヤーで活躍したバート・ランカスター。33歳で映画俳優としてデビューして2年後の1948年には、製作者ハロルド・ヘクトと共同でヘクト=ランカスター・プロを立ち上げています。つまり、この西部劇は製作者を兼ねたランカスターが大スターのクーパーを主役に招き、監督に新人アルドリッチを抜擢して創った作品でした。最後の決闘シーンでは当然の如くクーパーに花を持たせますが、ランカスター演じるジョー・エリンの粗野で礼儀知らずのならず者キャラクターがより印象に残る強かさ。アルドリッチの演出は終始弛緩することなく軽快でテンポ良く、適度なユーモアもあり、36歳の新人監督ですでにベテランのような手腕を発揮しています。
舞台は1866年のフランス干渉戦争(1861年~1867年)混乱期のメキシコ。フランスのナポレオン3世(1808年~1873年)がメキシコの自由主義革命に介入し、同盟国スペインとイギリスが撤退したあと単独で首都を占領し、オーストリア・ハプスブルク家のフェルディナント・マクシミリアン(1832年~1867年)を皇帝に即位させた。しかし南北戦争後のアメリカの抗議とプロイセンの脅威からフランスは撤退したものの皇帝は居座り、最終的に先住民族初の大統領ベニート・ファレス(1806年~1872年)率いるメキシコが勝利し皇帝は処刑される。各国の激しい覇権争いの複雑怪奇な時代が背景です。映画は、この戦争がアメリカとフランスの代理戦争だった側面から創作されたものです。
主人公は、この政治不安定なメキシコに一獲千金を狙って渡って来たアメリカ人のベン・トレーンという名のアウトロー。南北戦争で土地や財産を失った元南軍の兵士。開巻早々ジョー・エリンと出会い馬を買うが、それはメキシコ皇帝軍の馬を勝手にお金に替えたならず者だった。逃げる2人に追うメキシコ軍の逃走と追跡のカットバックから、進む道に大きな亀裂がある。ジョーの馬は難なく飛び越えるが、ベンは一度躊躇して引き返し勢いをつけて飛び越える。追われる2人の緊迫感にジョーがベンの腕前を試している余裕を見せる、この演出タッチがとても映画的です。更にメキシコ軍から射撃され落馬するベンが倒れたまま動かず、それをいいことに彼の金をせしめる不敵な笑みのジョーが、ベンの身体を起こして金目のものを奪おうとする。ところが(どっこい)ベンは左手に銃を構えていて驚くジョーの隙を外さず豪快に殴り倒す。この偶然出会った2人の男が拳銃捌きや乗馬の技術で拮抗すること、そしてやるかやられるかの知恵比べではベンが一枚上を知らしめる脚本の上手さと演出の的確さ。ここまで約10分しか経過していません。この予想をはぐらかす展開の面白さこそ、この映画の醍醐味と言えるでしょう。ジョーの馬に乗ったベンが意識を戻した彼に拳銃を返すことで、このベン・トレーンが西部劇の主人公に相応しい人物であり、ゲーリー・クーパーが演じるに足りる役柄であるのを印象付けます。そして街の酒場でジョーのならず者仲間にベンが問い詰められる危機に丁度彼が現れ誤解を解き、これで貸し借りなしの関係になるまでが物語の序章になります。ベンのクーパーが、ジョーを殺して馬を手に入れたと思い込んで殴ったドネガンのアーネスト・ボーグナインを豪快に殴り返すアクションシーンに、アルドリッチ監督らしい演出タッチの爽快感を感じました。
アメリカ人のベンたちが皇帝軍と抵抗軍のどちらに付くか報酬で決める広場のシーンでは、先住民の女性ニナが別のアメリカ人たちの暴行から助けられ、ベンに熱いキスでお返ししますが、次のカットではベンの財布を掏ったのが分かる。このように、その後登場するマリー・デュバル伯爵夫人と共に、戦争に関わる男達に負けず女性たちも曲者揃いで物語が進みます。皇帝軍の軍資金300万ドルを巡る、メキシコ先住民の抵抗軍とフランス・オーストリア皇帝軍とアメリカのならず者たちの三つ巴の駆け引きと争い。其々の欲望が入り乱れて展開する結末は、金貨300万ドルを賭けたベンとジョーの決斗。そこまで一気に見せる娯楽西部劇に集約したとても潔い作品で、満足度で採点すれば、もっと高得点を付けるべきかも知れません。
今回50年振りの見学で記憶が蘇ったのは、王宮で披露するライフル銃の狙い撃ち合戦のシーンでした。ランカスターが先ず騎兵の槍の先端に命中させ、続いてクーパーがかがり火を見事に消します(弾丸の風で消えるのか?)。可笑しいのはマクシミリアン皇帝まで挑戦して成功するも、従者が安堵の表情を見せるところです。役者では1960年の「荒野の七人」でスターになったチャールズ・ブロンソンがならず者のメンバーにいました。この時はチャールズ・ブチンスキーの本名でクレジットされています。ニナを手籠めにしようとする汚れ役でした。序章でクーパーに殴られたアーネスト・ボーグナインは前年に「地上より永遠に」の軍曹役で存在感を示し、翌年ヘクト=ランカスター・プロ制作のアカデミー賞作品「マーティ」に主演、ランカスターより先にアカデミー主演男優賞を受賞しています。「ポセイドン・アドベンチャー」「北国の帝王」の頃のボーグナインも良かった。バート・ランカスターに製作者としの才能があったのは、この一作だけで分かるような気がします。「真紅の盗賊」「空中ブランコ」では、サーカスで鍛えた身体能力の高さを証明するアクション俳優としても一流でした。経歴を見ると、個性のある名監督に恵まれた俳優人生を送った名優と思います。ロバート・シオドマーク、ダニエル・マン、アルドリッチ、キャロル・リード、ジョン・ヒューストン、ジョン・フランケンハイマー、そしてルキノ・ヴィスコンティ、ルイ・マルの作品に主演し、晩年の「フィールド・オブ・ドリームス」でも名演を遺しました。撮影は、「ニュールンベルグ裁判」「ミクロの決死圏」「大空港」のアーネスト・ラズロ。構図の安定感と的確なカメラアングルがアルドリッチ演出と巧く嚙み合っています。特にアクションシーンのカメラワークが、地味ながら技巧の高さを持っています。編集が良いのも今回実感しました。
ゲーリー・クーパーとバート・ランカスター共演! レビュー少ない?
ストーリーになかなかついて行けず何度も眠ってしまう
ゲーリー・クーパーとバート・ランカスター共演ということで期待してみたが・・・
出だしは西部劇らしい面白さで期待できたが話が進むうちにややこしくなってきてもっと早くに金貨の存在がわかった方が良かったのにと思う。
時代が時代なので仕方ないのかも知れないが平気で女性を殴るシーンは気持ちの良いものではなかった。
ピリッとしなかったのはゲーリー・クーパーが格好良いのだけれど何考えてんのか余りよくわからなかったからかも知れない
シェーンや荒野の7人を超える感動とまでは行かないまでも大量動員という意味ではすごかった。
ところであの頃の300万ドルて今のドルでどのくらいするんやろ?
最初と最後以外の出し抜きあいが面白い
総合65点 ( ストーリー:65点|キャスト:65点|演出:60点|ビジュアル:70点|音楽:65点 )
皇帝と反乱軍、どちらにつくかの場面、演出がくさい。女を助けた後で、何の気配もなくいきなり包囲されたかと思えば、それをあっさりと引き上げさせる。
冒頭からそんな感じなのであまり期待出来ないかと最初は思ったのだが、観てみると案外悪くなかった。主人公二人・皇帝・夫人・反乱軍などが交じり合って300万ドルの金貨を追いかけ、裏切り、策謀を巡らしていく展開が忙しいし、お互いに出し抜こうとして約束事も義理も知ったことじゃないという態度が潔い。
その中で、欲望に忠実な一匹狼ジョーを演じたバート・ランカスターは存在感があった。1954年制作なのに天然色で大量動員した映像も健闘している。
問題点は、登場人物の背景や立場の掘り下げが浅くて、あまり共感や思い入れをもてないこと。大量の銃弾が飛んできても当たらない戦闘の場面はちょっと手緩さがある。それから主人公二人が反乱軍に10万ドルの報酬で加わることを交渉したが、反乱軍の将軍はすでにたくさんの兵士を抱えているので、彼らにそんな大金を払ってまで味方になってもらう理由が無いこと。過去を取り戻すための金を求めてメキシコに来て命懸けだったゲーリー・クーパーの、その彼の突然の心の変化を描ききれていないため、最後の行動の結末も綺麗ごとに見えた。
濃いなぁ、バート・ランカスター
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