「現実も夢も大差ない、空虚な時間の連続性」ブルジョワジーの秘かな愉しみ HAPICOさんの映画レビュー(感想・評価)
現実も夢も大差ない、空虚な時間の連続性
202303 444
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「夢をうまくやるのはブニュエルくらいだ。ベルイマンでさえ成功しているとは言えない」ーーミヒャエル・ハネケ
大きな環境音によって台詞が度々掻き消される演出が印象的。聞こえないところで何ら気にならない。
展開が荒唐無稽だろうが暴力的だろうが、それが夢だろうが現実だろうが気にならない。(どちらかと言えば夢の中のモチーフになら、たまにハッとさせられる。)
登場人物達自身も気にする素振りがなく、彼らにとっても鑑賞者にとっても、ただ空虚な時間が過ぎていく。感情を終始支配するのは唯一、そろそろ食事をさせてくれ、ということだけ。
ブニュエルなりのアイロニカルなテーマ表現ということか。
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