劇場公開日 2025年1月24日

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「松田優作よ永久に」ブラック・レイン KIDOLOHKENさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 松田優作よ永久に

2025年9月23日
PCから投稿

タイトルには納得がいかない。原爆が落ちて黒い雨が降ったのは大阪ではなく広島だ。これは広島を舞台にしているわけでもなく、タイトルだけ有名なブラックレインを借りてきたってのは、日本人としては納得いかんな。挿入されている戦争話もなんかとってつけたようなでな。夜の場面が多いんでブラックなんとかというタイトルにしたかったのかな。日本の習慣がいろいろ出てくるところは面白い。日本人としてはちょっとズレてると感じるところが少なかったのは偉い。
そして残念だったのは松田優作だ。松田優作はリドリースコットのこの作品に命をかけて、この後亡くなった。男としては立派なことだった。彼がこの作品に命をかけたことの理由の一つ・・私には何となく役者としての限界を感じてきた部分があったのではないかと思われる。若い頃の松田優作は。毒毒しさがあって、粗削りで、ワイルドで、カッコよくて・・・それらを含めた野性味が命だったわけだが、この頃の年齢になるとだんだん丸みが出てしまって。そこで役が広げられずに行き詰っていた感があった。この映画での悪役も悪役の雰囲気を出してるのために藻掻いてる感じがして、既に自然体ではなかったように見えた。彼の顔は元々小っちゃくてまるい目で。あまり、迫力の出る顔つきではなかったのかもしれん。そして映画の方も可もなく不可もなく。という感じで。まあ、そこそこまとまってる映画で終わってしまった。松田優作の役どころも上から何番目だろうな・・・一番は。マイケ・ルダグラスで。それから高倉健で、それから、それからって感じかな。ドラマにもあまり絡んでおらず・・・。そういう意味でも、はかない映画であった。
日本人の父と当時、質屋を営む韓国人(在日1世)の母との間に非嫡出子として生まれた。本名は金優作。桜の花が散るような、潔い最期を選んだ。松田優作は、日本の男だ。

KIDOLOHKEN
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