「吉行和子!」愛の亡霊 kossykossyさんの映画レビュー(感想・評価)
吉行和子!
人力車夫の儀三郎とせきの間には幼子もいるし奉公に出てる女の子もいる。。豊次はせきより26歳も年下なのだ。
儀三郎を殺して古井戸へ放り込んだ2人。豊次は山で落ち葉拾いをした後、必ず古井戸に放り入れるという癖がついた・・・そして3年が経ち、豊次は東京に行っていると言ってあるものの、豊次の夢を見たと言う人が現れるようになる。娘も父ちゃんは死んだんじゃないかと思うようになった。その頃からせきは儀三郎の幽霊を見るようになった。幽霊は酒を飲み、せきにつがせたり、酒を買いに行った帰りに人力車に乗せられたり・・・静かな幽霊だった。
せきは幽霊に苛まれ、ついに家に火をつけ自殺を図るが、すんでのところで豊次に助けられる。警官(川谷拓三)にも疑われ、庄屋の若旦那にも疑われたが、山が広すぎたせいかどの古井戸だったかわからない様子。ついに豊次は証拠隠滅のため若旦那を殺して自殺に見せかけた。そして警官は彼らの犯行を確かめるため床下に潜りこんだのだ。
古井戸の死体をよそへ移そう・・・そう考えた2人は井戸に降りる。そのとき落ち葉の枝がせきの目に刺さり失明。それから家に戻り抱き合う2人だったが、そこへ警官隊が突入し2人は拷問場に吊るされ自白させられるのだ。
愛憎劇とホラー。結局何が言いたい作品なのかわからない。『愛のコリーダ』に出演したため干されてしまった藤竜也が、またまた大島監督にオファーを受けたことで、人々はまた期待に胸ふくらませる。もしや吉行和子までが・・・と。しかし内容はそれほどのものじゃない。閉鎖的な村の幻想的な雰囲気はとても良かったのだが、映像の美しさ、吉行和子のエロさ以外は見るべきところがないような・・・
豊次の弟で奇声をあげ走り回っているシーンが印象に残るが、これが杉浦孝昭(おすぎ)。素人を使うのも上手い大島渚だ。