「明日への希望を託す芸能専門学生の若いエネルギーを発散させたパーカーの傑作ミュージカル」フェーム Gustavさんの映画レビュー(感想・評価)
明日への希望を託す芸能専門学生の若いエネルギーを発散させたパーカーの傑作ミュージカル
芸能専門学校に通う若者たちの可能性をパワフルに表現したアラン・パーカーの力作。青春期にしかないエネルギーの発露をストレートに表現したパーカーの演出力が素晴らしい。これほどに若さを肯定的に捉えた音楽映画は今までに無かったのではないだろうか。作品の構成も音楽の推進力と噛み合って実にテンポ良く進み、爽やかな青春讃歌のミュージカル映画になっている。専門学校の4年間を、あたかもベートヴェンの交響曲第9番『合唱』の全4楽章に当て嵌めたような“音楽への捧げもの”として捉える事もできる。芸能の魅力に取りつかれた若者の感性を、音楽のリズムとテンポに転化したパーカーの演出に終始身震いした。今日のミュージカル作品として特筆すべき傑作であると思う。
1980年 12月23日 スカラ座
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