「【”人生に後悔を残さない事、夢を信じる事の大切さを、時を超越して、ファンタジックに詩情豊かに描いた作品。野球愛、人間愛に溢れた脚本の素晴らしさとラストシーンは忘れ難い作品でもある。】」フィールド・オブ・ドリームス NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”人生に後悔を残さない事、夢を信じる事の大切さを、時を超越して、ファンタジックに詩情豊かに描いた作品。野球愛、人間愛に溢れた脚本の素晴らしさとラストシーンは忘れ難い作品でもある。】
ー 野球好きの少年時代を過ごした男の夢の一つは、幼き息子とキャッチボールをする事ではないかと、勝手に思っている。-
<Caution !内容に触れています。>
■”造れば彼がやってくる”と言う不思議な声を聞いた、レイ・キンセラ(ケヴィン・コスナー)は、自らのトウモロコシ畑の一角を潰し野球場を作る。
レイ・キンセラは、17歳の時にマイナーリーグに入団するも、夢叶わなかった父、ジョンと決別していた。
そして、ジョンは”シューレス”ジョー・ジャクソンが好きだった。
◆感想
・今作は何度観ても良い。
過去に後悔を抱える、レイ・キンセラを始め、八百長事件を起こし大スターの地位から野球界を永久追放になってしまった”シューレス”ジョー・ジャクソンや、メジャーリーガーになる夢が叶わなかったDr.アーチ―グラハム、時代に絶望し、筆を追っていた作家のテレンスマン(原作では、サリンジャー)等が、レイ・キンセラが天の声、
”造れば彼がやってくる”
”彼の痛みを癒せ”
”最後までやれ”
に導かれ、お金が無いのに野球場を作り、テレンスマンを探し出し、アーチ―グラハムを探し出し(タイムスリップも・・)、彼らの夢を叶えるストーリー展開の素晴らしさであろう。
・”シューレス”ジョー・ジャクソンの”野球は最高だな・・”と言う言葉と共に野球の素晴らしさを語る言葉の数々や、Dr.アーチ―グラハムからアイオワに行くことを断られたレイ・キンセラとテレンスマンがアイオワの球場に向かう際に、青年をヒッチ・ハイクで乗せるシーン。彼はアーチ―グラハムと名乗るシーン。脚本、巧いなあ・・。
そして、”シューレス”ジョー・ジャクソンが”連れて来た”往年の名野球選手たちがレイ・キンセラが作った野球場で、楽しそうに試合をするシーン。
彼らは野球場を取り囲むトウモロコシ畑から現れ、試合が終わると、畑に消えていく・・。
・レイ・キンセラの娘カレンが観客席から落ちた時、若きアーチ―グラハムが球場の結界を越え、老いたDr.アーチ―グラハムの姿になり、カレンの具合を見るシーン。そして、満足げに去って行く姿。
・一番、心に響くのは球場に現れた、ユニフォーム姿の若き父、ジョンが、レイ・キンセラと妻のアニーとカレンに出会うシーンである。
レイ・キンセラは、嬉しそうに家族を若き父に紹介し、握手をする。
そして、父は言う。
”ここは、天国か?””アイオワだよ・・”
”シューレス”ジョー・ジャクソンが最初に現れた時も、同じセリフを口にしている・・。
<今作は、人生に後悔を残さない事、夢を信じる事の大切さを、時を超越して、ファンタジックに詩情豊かに描いた作品である。
ラストシーンも忘れ難いし、様々な事を若き日に感じ、学んだ作品でもある。>