「デ・パルマ監督の慧眼や恐るべし!」ファントム・オブ・パラダイス あき240さんの映画レビュー(感想・評価)
デ・パルマ監督の慧眼や恐るべし!
本作公開は1974年12月末
イギリスのロックバンド クイーンのレコードデビューは1973年
彼らに触発されて製作されたのは明らかだ
ビーフのステージアクトはフレディ・マーキュリーそのものだ
ロックオペラのコンセプトはクイーンのコンセプトそのものでもある
しかし本作公開時点ではまだ彼らはヒットもあったものの人気も評価も英米で決して高くは無かった
彼らがスーパースターになったのは、1975年4月の日本公演の大成功からだ
この映画の製作時点では日本ぐらいしか人気がないバンドだったのだ
故に、この段階で彼らのロックオペラのスタイル、サウンド、ステージアクトに着目し映画に仕立てたデ・パルマ監督の目利きの確かさは驚異的だ
先見の明が有りすぎる程で感嘆する
物語はオペラ座の怪人にファウストの要素を取り混ぜたもの
手際よく構成されて、テンポ良く、まどろむところがない
サイコのパロディはサービスだろう
もうひとつ監督がヒントにしたのは、ロックバンド KISSだ
白と黒で塗ったフェイスペイントとハードロックのアクトは多少変えて本作の劇中に引用されているが、彼らを知るならば一目で分かる話だ
本作はこの新しい映像と音楽の体験だけでなく、様々な派生を産んだことでも意義がある
意外なものでは1977年公開のスターウォーズだ
ダース・ベイダーのビジュアルと呼吸音、ボイスチェンジャーも本作からのインスパイアは明らかだ
NYの世界的に超有名なディスコ パラダイスガラージは1977年のオープン
しかし、こちらは偶々同じ名前になったに過ぎないだろう
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