「ビートルジュースはベテルギウス!?」ビートルジュース おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
ビートルジュースはベテルギウス!?
公開当時、大いに話題になっていた記憶があり、タイトルだけは知っていたものの未鑑賞だった本作。明日から公開の続編「ビートルジュース ビートルジュース」に備えて、アマプラで観てみました。
ストーリーは、自動車事故で死んで幽霊となってからも、お気に入りのマイホームから離れられずにいた夫婦のアダムとバーバラが、新たな住人として引っ越してきたディーツ家を脅かして追い出そうとするがうまくいかず、二人に代わって人間を追い出してくれるという“ビートルジュース”と名乗る怪しげな男を頼ることから巻き起こる騒動を描くというもの。
話はいたってシンプルで、ストーリーのおもしろさよりも、ビートルジュースの言動と死者の世界を表現した映像を楽しむといった感じの作品です。とにかく、軽薄で無責任なビートルジュースのイカれ具合が楽しく、彼が登場してからにわかに舞台が活気づき、テンポが上がった印象です。まさかビートルジュースが“ベテルギウス”だったとは思いもしませんでした。
そんなビートルジュース以外にも、風変わりな幽霊が何種類も登場します。どれも怖いというよりユーモラスな印象で、死者の世界観づくりに一役買っています。本作は1988年公開ということで、当時は今のCGやVFXのようなハイクオリティな映像技術はなく、クロマキーやコマ撮りアニメ等を駆使して撮影していたかと思うと、製作陣の知恵と工夫と苦労が偲ばれます。
ただ、決してつまらなくはないのですが、期待したほどではなかったかなという感じです。アダムとバーバラを物語の中心に据えて、リディアとの交流を描いているのですが、ビートルジュース登場までがちょっとたるいです。もう少しテンポよく運び、ビートルジュースの暴走ぶりをもっとたくさん描けば、違った印象になったのではないかと思います。また、工夫の詰まった映像表現も、公開当時ならいざ知らず、あれから30年以上経った今ではどうしてもチープ感が漂います。
キャストは、マイケル・キートン、アレック・ボールドウィン、ジーナ・デイビス、ウィノナ・ライダー、ジェフリー・ジョーンズ、キャサリン・オハラら。中でも、マイケル・キートンの独壇場とも言える怪演が光ります。また、ウィノナ・ライダーも独特の雰囲気を纏ったかわいらしさで存在感を放っています。