ヒズ・ガール・フライデーのレビュー・感想・評価
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マシンガン・トーク‼️
ヒルディは生粋の記者である‼️だから、いくら記者の仕事に嫌気が差し、夫である編集長のウォルターに愛想を尽かして離婚、ブルースという優しい男と再婚して記者を辞めようとしても、目の前で事件が起きると目を輝かせてしまう‼️ウォルターもそんなヒルディのことを一番よく分かっている‼️それにまだちょっとだけ未練があるから、何とか彼女を自分の下でまた記者として働かせたい‼️そのためには偽札を使ったり、ブロンド美女にブルースを誘惑させたり、ブルースの母を誘拐させたりしてしまう‼️やってる事は思いっきり犯罪なんだけど、それもヒルディを愛すればこそ‼️ヒルディも最初はウォルターと大喧嘩するものの、ウォルターがやってる事は自分を愛すればこそと思い込み、記者の仕事を続け、ウォルターと再婚してメデタシ、メデタシ‼️ホントにおめでたいというか、微笑ましいというか、理想的なハリウッドのロマンチック・ドタバタ・コメディですよね‼️しかもこの作品を語る上で欠かせないのが主演の二人、ケイリー・グラントとロザリンド・ラッセルの演技‼️その凄まじいセリフの応酬‼️まるで機関銃のように‼️これぞマシンガン・トーク‼️このマシンガン・トークで映画に凄まじいテンポと軽快なリズムが生まれ、1時間30分、至福の時間を味わえます‼️さすがはハワード・ホークス監督‼️30年代から40年代のハリウッドのロマコメはこのマシンガン・トークを売りにした、いわゆる "スクリューボール・コメディ" が隆盛だった‼️その先駆けとなったのはフランク・キャプラ監督の超傑作「或る夜の出来事」なのですが、それと並ぶ傑作がこの「ヒズ・ガール・フライデー」ですね‼️
新聞記者って、その在りかたからしてコミカルなテンポ良さが合うんだな...
新聞記者って、その在りかたからしてコミカルなテンポ良さが合うんだな。スクープのためならヒョイヒョイ風見鶏な感じが、高速スクリューボールとマッチして面白かった。
ハリウッドが最も輝いていた時代
情報媒体の多チャンネル化が進みきった現代からすると、新聞が文字通り全ての情報を一元的に掌握していた時代があったことさえにわかには信じ難い。少なくともいち記者の記事一本で死刑囚を檻の外へ解放させられるような力はない。自社利益のために情報をでっち上げたり隠匿したりなどという横暴も今じゃフリーのジャーナリストだの暴露系Youtuberだのに瞬時にすっぱ抜かれて大批判を食らうこと間違いなしだ。しかし本作の時代においてはそうした新聞社の腐敗体質を含めてメロドラマに加工できてしまうくらいには大衆側に余裕があったことが窺える。1940年代、それはフランク・キャプラなんかが加担した戦争礼賛的なプロパガンダ映画はあったにせよ、マッカーシーの赤狩り旋風が吹き荒れる前のハリウッドが最も自由な時代だ。オーソン・ウェルズ『市民ケーン』みたいな名誉毀損ギリギリの内幕モノが公開に漕ぎ着けたのも、オールオッケーな時代の空気ゆえだろう。受け手も作り手も各々がアメリカ式の「自由」を最大限享受しながら伸びやかに映画とその受容空間を作り上げていたのが1940年代という時代だ。ただ、その「自由」が黒人や女性への憎悪と蔑視を内包したマッチョ的なものであることには留意しなければならない。
記者魂とは・・・
昨今の記者ものというと社会正義の旗手としてのシリアスものですがこんな自虐的なコメデイ映画があったとは拍子抜けというか望外の収穫でした。
ブロードウェイで大ヒットだったという戯曲「フロントページ(新聞の一面、スクープのこと)」の映画化、なんとこの原作は「犯罪都市(1931)」、「ヒズ・ガール・フライデー(1939)」、「フロント・ページ(1974)」、「スイッチング・チャンネル (1988)」と4度もリメイクされている人気作品。
原作者のベン・ヘクト とチャールズ・マッカーサーはシカゴの新聞記者出身ですから無茶苦茶な編集長ウォルターや死刑囚、市長にも実際のモデルがいて、自虐ネタも豊富、1920年代後半のシカゴを舞台に死刑囚脱走の特ダネをものにしようと奮闘する新聞記者らの姿をコミカルに描いた作品でした。本作の冒頭のクレジットでも「新聞の暗黒時代と呼ばれていた頃、記者は特ダネの為なら殺人以外はどんな手段でも使った・・」という前置き、実際ウォルターは盗み、冤罪、誘拐、偽札とマフィア顔負け、ただケーリ・グラントだからどこか憎めないのが可笑しい。
原作のヒルデンは男性記者でしたが、オーデションでたまたまホークスの秘書の女性が読んだセリフの響きに触発され、職業婦人も台頭した時代背景を読んで女性記者に脚本が書き換えられたそうです。
題名のフライデーは「ロビンソン・クルーソー」に登場する従僕と言うか相棒で金曜日にクルーソーが命を助けたことから名づけた原住民の名前で、信頼する部下やパートナーの代名詞として使われるようです。
ホークス監督はアップテンポでセリフの銃撃戦を狙ったそうで、相手のセリフ途中でセリフを被せたり畳み込む演出は本作が最初でしょう。見どころはまさにマシンガントーク、ケーリーグラントのセリフに比べて弱いと感じたヒルディ役のロザリンド・ラッセルはプライベートで脚本家を雇ってアドリブを加えたようです、ホークス監督はアドリブには寛容だったのでジャムセッションのような面白い効果が出ていますね。全編、夫婦げんかのような喧しさですが本音は似た者同士だったという落ちも微笑ましい、快作でした。
見事!これぞスクリューボールコメディ!
さすがはハワードホークス! 滅茶苦茶に面白い あっという間に引き込まれて、あっという間に終わっている ケイリーグラント主演というより、女記者役のロザリンド・ラッセルが主演というべき キャリアウーマンらしさの身のこなし、話し方もう全く完璧な演技だ! ケイリーグラントもバリバリと大量の台詞とギャグをかましまくる この二人がそろうシーンはもう火花が飛ぶような演技と台詞の応酬に圧倒されてしまう さらに、そこに良い仕事ぶりの脇役陣が絡んで引き立てるのだからたまらない ハワードホークスの才能には恐れ入るばかりだ 原題のHis Girl FridayのFridayには、愛すること、束縛しないという語源があるそうなので、それをかけているようです
古さを全く感じさせないコメディ!
たまたま中古屋で手に入れたが、いわゆる廉価版ではなかったため、思いのほか画質・音質ともよかった。監督がハワード・ホークスで主演がケーリー・グラントなので買ったのだが、予想外におもしろかった。私はウォルター・マッソー+ジャック・レモンの「フロント・ページ」として知っていた作品だった。こっちはリメイクだったのか・・・ 最近出たキネ旬の「オールタイムベスト映画遺産200 外国映画篇」のひとつにも選ばれていた。スクリューボール・コメディやマシンガン・トークの代名詞のような作品だ。昔の映画は、ヒッチコックの作品などもそうだが、場面転換が現在主流のカットバックではなく、フェイド・アウトが多いので、何だかえらくゆっくりしていてトロい印象だが、この映画はしゃべりも場面転換も早くて、観ている私がついて行くのがやっとのくらい。汚いあの手この手を繰り出すケーリー・グラントが最高で、まだ若くてめちゃくちゃかっこよい。ヒロインも昔の映画にありがちな女性ではなく、自立していて、なよなよしていないのも好感が持てた。
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